夜中の2時か3時に目が覚める。トイレに行って布団に戻っても、そこから朝まで眠れない。次の日は頭が重く、体がだるい。

深谷市で夜中に目が覚める不調を調べていらっしゃる方から、当院にもご相談をいただきます。「更年期でしょうか」「年のせいですか」「自律神経ですか」。ネットで原因を10個読んでも、自分がどれに当てはまるのかは分からない。病院に行くほどでもない気がする。でも整体で何とかなるなら試してみたい。そんなお気持ちで検索されている方が多いように感じます。

先にお答えしておきます。整体で眠りが良くなった方は、当院にいらっしゃいます。ただし、条件があります。体の側に原因の手がかりがある方に限られる、ということです。

この記事では、当院が眠りの悩みをどう分けて見ているのか、体の側で実際に何を確かめているのか、そして「体だけでは戻らない」と正直にお伝えしている場合まで、順番にお話しします。

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■ 夜中に目が覚めるのは、あなただけではありません——不眠の3つの型で一番多いのが中途覚醒です

不眠には大きく3つの型があります。寝つけない「入眠困難」、夜中に目が覚めて眠れない「中途覚醒」、予定より早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」です。

日本の一般の方3,030名を対象にした調査では、過去1か月に不眠のあった方が21.4パーセント、そのうち夜中に目が覚める中途覚醒が15.0パーセントで、寝つけない8.3パーセント、早朝に目が覚める8.0パーセントより多かったと報告されています。つまり、夜中に目が覚めるという悩みは、不眠の3つの型の中で一番多いものです。

「自分だけがおかしいのではないか」と感じている方に、まずここをお伝えしたいと思います。多い悩みだから放っておいていい、という意味ではありません。多い悩みなのに、体の側から見てもらう機会がほとんどない、というのが当院の実感です。

■ 整体で眠りは良くなるのか——良くなった方はいます、ただし条件があります

このご質問には、断定でお答えすることができません。

当院で施術を受けたことをきっかけに、寝つきやすくなった、夜中に目が覚めてもそのあと眠れなくなることが減った、とおっしゃる方はいらっしゃいます。ですから「整体では何もできません」とは言いません。

ただ、全員がそうなるわけではありません。眠りは、心と体と加齢の3つが関わる領域で、当院が手を出せるのはそのうちの「体」だけだからです。体に手がかりがない方に、整体だけで眠りが戻るとお伝えすることはできません。

この線引きを最初にはっきりさせておくことが、遠回りをしないために大事だと考えています。期待しすぎて何か月も通うのも、最初から諦めて何もしないのも、どちらももったいないからです。

■ 当院は不眠の背景を3つに分けて見ています——心・体・加齢

眠りの相談を受けたとき、当院はまず、その方の不眠の背景を3つに分けて考えます。

一つ目は心の要因です。ストレス、不安、環境の変化。二つ目は体の要因です。呼吸が浅い、首や背中が固まっている、体が休む態勢に入れない。三つ目は加齢です。年齢とともに眠りは浅く、短くなっていきます。

この3つは、どれか一つだけということはあまりありません。混ざっています。ただ、どれが主なのかは方によって違います。心が主なのに体だけ整えても戻りませんし、体が主なのに心の話ばかりしていても戻りません。

当院が考えているのは、自律神経の強さには生まれつきの個人差がある、ということです。もともと余裕が大きくない方は、加齢や疲労で体の他のところに余力を取られると、眠りのような繊細な働きから先に乱れやすいように見えます。これは当院の臨床での見立てで、証明された話ではありません。ただ、この見方をすると、「体の負担を減らすと眠りが動く」という経過の説明がつきます。

■ 体の側で当院が実際に確かめている3つのこと(肋骨の動き・呼吸の入り方・首の後ろ)

「体を見る」と言っても、何を見ているのかが分からなければ、判断のしようがないと思います。当院が眠りの相談で必ず確かめているのは、次の3つです。

一つ目は、肋骨の動きです。仰向けになっていただき、息を吸ったときに左右の肋骨が同じように広がるかを見ます。片側だけ動きが小さい方が、思っている以上に多くいらっしゃいます。肋骨が動かないと、呼吸のたびに横隔膜が働きにくくなり、呼吸が浅い状態が続きやすくなります。呼吸の浅さは、体を休ませる神経の働きと無関係ではないとされています。

二つ目は、呼吸の入り方です。胸の上のほうだけで呼吸しているのか、お腹や脇まで息が入っているのか。デスクワークが長い方は、首と肩を持ち上げるような浅い呼吸が癖になっていることがあります。

三つ目は、首の後ろの硬さです。後頭部のすぐ下にある小さな筋肉の群れが、パソコンやスマホの姿勢で縮んで固まっている方が多くいらっしゃいます。当院で拝見した40代の男性は、パソコン作業が1日6時間ほどで、左側の肋骨が前も後ろもまったく動かず、首の後ろの筋肉も強く緊張していました。

この3つは、あくまで「手がかり」です。ここが硬いから眠れない、と断定はしません。ただ、ここが硬い方は体が休む態勢に入りにくい、というのが当院の観察で、ここに変化を出したあとに眠りが動いた方が実際にいらっしゃいます。

■ 夜中に目が覚めていた70代の方の経過——施術と医療機関、両方そろって安定しました

70代の男性の方のお話です。退職後、お一人で暮らしていらっしゃいました。眠りのご相談で来られた方で、夜中に目が覚めて、そこから朝まで眠れない日が続いていました。

当院はまず、3つの背景を分けて考えました。お一人暮らしではありますが、生活の様子や表情から、心の要因が主ではないと判断しました。大きかったのは体と加齢のほうです。

検査で目立ったのは、右側の肋骨の動きが著しく硬くなっていたことでした。仰向けで息を吸っていただくと、左に比べて右がほとんど広がりません。呼吸が浅い状態が長く続いていたと考えられました。

施術では、胸郭と背骨の動きを整えることから始めました。硬くなった肋骨まわりの動きを取り戻し、呼吸が深く入る状態をつくる。あわせて、体を休ませる神経の働きに関わる部位にも手を入れました。

経過はゆっくりでしたが、施術を重ねるうちに「眠れる日が増えてきた」と言っていただけるようになりました。そして2か月ほど経った頃、この方は医療機関を受診し、眠りのための薬も使い始めました。ここを隠さずお伝えするのは、この記事でいちばん伝えたいことだからです。

当院は施術だけで抱え込みませんでした。体の状態を底上げする施術と、医療機関によるサポート。両方がそろってから、この方の眠りは目に見えて安定していきました。今はかなり良い状態で落ち着いていらっしゃいます。

どちらか一方だけでは、おそらくここまでは来られなかったと思います。どちらが正しいかではなく、両面から支える。それがこの方にとっての答えでした。

■ 40代で夜中に何度も目が覚める方へ——体だけが原因とは限りません

40代の女性から、こんなご相談をいただいたことがあります。夜中に何度も目が覚めて、そのあと眠れない。肩こりも腰痛もある。整体で睡眠まで良くなることはあるのか、と。

当院のお答えは、こうでした。

断定はできません。当院で施術を受けて、寝つきやすくなった方、夜中に目が覚めてもそのあと眠れなくなることが減った方はいらっしゃいます。体の側から、体を休ませる神経の働きに影響できる部分はあると考えています。

ただ、40代の場合、なぜそうなったのかの原因が体だけとは限りません。仕事のストレス、人間関係のストレス。こうした環境の要因が主なら、そちらを外さないと、体をいくら整えてもなかなか戻りません。人間関係のストレスは、施術ではなくなりませんから。

肩こりも腰痛もあるということは、体からの影響は確かにあると思います。ですから、体の部分と環境の要因を、両方いっしょに考えていただきたいのです。そして、それでも変わらなければ、病院に相談することも選択肢の一つとして持っておいてください。

ここまで正直にお伝えするのは、当院が「全部整体で何とかなります」と言えない領域だからです。言えないことを言わない代わりに、体の側でできることは手を抜かずにやります。

なお、当院にいらっしゃる方を横に見ていくと、眠りの悩みは高齢の方だけのものではありません。産後に夜寝ても3時間ほどで目が覚めてしまう方、10代で朝起きられず夜も眠れない方、交通事故のあとに体が緊張して眠れなくなった方。年代を問わず、体に強い負担がかかった時期に眠りは乱れます。そして体の負担が減ってくると、眠りもいっしょに動いていく方が多い。これが当院の観察です。

ここまで読んで「自分のことかもしれない」と思った方へ。まず検査で、どこに負担が集まっているかを確かめます。空き状況はネット予約でその場で確認できます。

お電話でのご予約・ご相談:048-594-9938(受付時間内)

■ 家でできる確認と、今夜からやめてほしいこと

ご自宅でできる確認を一つお伝えします。

仰向けに寝て、両手を肋骨の下のほうに当てて、ゆっくり深呼吸をしてみてください。息を吸ったとき、左右の肋骨が同じように手を押し返してくるでしょうか。片側だけ動きが小さい、胸の上のほうだけで呼吸している感じがする。そういう方は、呼吸に使う体の部分が硬くなっているかもしれません。体の側から見直せる余地がある、ということです。

もう一つ、今夜からやめていただきたいことがあります。布団の中でスマホを見ることです。首の後ろが縮む姿勢で、目からは強い光が入る。体が休む態勢に入るための条件を、両方いっぺんに崩してしまいます。眠れないからスマホを見る、スマホを見るから眠れない、という輪に入っている方は少なくありません。

ここまでの話を、誰が何を受け持つかで整理します。

眠りの悩みの背景主に誰が受け持つか当院の関わり方
肋骨や首の後ろが固まり、呼吸が浅い当院の施術+ご自身の呼吸の確認肋骨の動き・呼吸・首の後ろを確かめ、体が休む態勢に入りやすい状態をつくる
仕事や人間関係のストレスご自身の環境の見直し体からの影響がある分は整えるが、環境が主なら「体だけでは戻らない」と正直にお伝えする
気分の落ち込み・食欲の低下を伴う医療機関先に受診をお勧めし、必要なら施術は並行で
加齢による眠りの変化時間と付き合い方「年のせい」で終わらせず、体の側に見直せる余地がないかを確かめる
いびきが強い・日中の強い眠気医療機関当院が扱う範囲ではないため、受診を優先していただく

この表でお伝えしたいのは、眠りの悩みは一つの扉から入るものではない、ということです。体の扉と医療の扉、両方あります。

朝起きられない、立ちくらみやだるさが続く、というご相談も、眠りの悩みと重なることがあります。「どこに相談するか」で分けて考える話は、こちらで詳しくお話ししています。

関連記事:朝起きられない大人の方へ|立ちくらみ・だるさは「どこに相談するか」で分けて考える|深谷市の接骨院が解説

■ こんなときは先に医療機関へ——当院が線を引いているところ

体の話の前に、先に確かめていただきたいことがあります。

気分の落ち込みが強い。何をしても楽しめない。食欲がない。日中の生活や仕事に支障が出ている。こうしたときは、体の施術より先に、心療内科や精神科などの医療機関にご相談ください。

いびきが強い、日中に強い眠気がある、寝ている間に呼吸が止まっていると言われたことがある。この場合は、睡眠の専門の医療機関で調べていただく領域です。

夜間に何度もトイレに起きる、動悸が強い、急に汗が出る。こうした症状が中心なら、内科や婦人科で確認していただくほうが先です。

当院にできるのは、体の状態を整えることです。それがすべての不眠に効くわけではありません。線引きを先にお伝えするのは、遠回りをさせないためです。

■ 夜中に目が覚める日が続いている方へ——当院にできることの範囲

当院がお約束できるのは、眠れるようにすることではありません。

できるのは、あなたの体に、眠りを邪魔している手がかりがあるかどうかを確かめることです。肋骨の動き、呼吸の入り方、首の後ろの硬さ。ここに手がかりがあれば、体の側から整えていきます。手がかりが薄ければ、そのこともお伝えします。

まず10回を目安に、どこまで変わっていくか経過を見させてください。眠りは日によって波があるので、1回ごとの良し悪しではなく、「眠れる日が増えたか」で一緒に確かめていきます。10回のところで、続けるか、間隔を広げるかを一緒に決めます。

めまいや耳鳴り、ほてりといった不調が眠りと重なっている方は、体を休ませる神経の働きの側から見た話を、こちらの記事でもお話ししています。

関連記事:めまい・耳鳴り・ホットフラッシュが1年半続いた方へ|深谷市の接骨院が自律神経からアプローチする方法

当院の自律神経に関する施術の全体については、こちらのページにまとめています。

関連記事:深谷市で自律神経失調症の施術をお探しの方へ(深谷たいよう接骨院・整体院)

関連記事:肩甲骨はがしとは?整体の効果とは?

関連記事:整体の効果ってある?ない?

関連記事:たいよう式バランス整体に用いる三種の神器! (パート1,2,3総まとめブログ)

■ よくある質問

Q1. 整体に通えば眠れるようになりますか

A. お約束はできません。当院にいらっしゃった方の中には、施術をきっかけに寝つきやすくなった、夜中に目が覚めてもそのあと眠れなくなることが減った、という方がいらっしゃいます。ただ、それは体の側に手がかりがあった方です。手がかりがあるかどうかを最初に確かめて、正直にお伝えします。

Q2. 病院で薬をもらっています。整体と並行しても大丈夫ですか

A. 並行していらっしゃる方は多くいらっしゃいます。当院がお伝えした70代の方も、施術と医療機関の両方で安定していきました。薬の内容や量についてのご判断は主治医の先生にお任せし、当院は体の側の状態を整えることに専念します。受診中であることは、初回に必ずお伝えください。

Q3. 更年期の中途覚醒にも整体は関係ありますか

A. 更年期のほてりや発汗が夜中の目覚めの引き金になっている場合、その引き金そのものを当院が変えることはできません。ただ、その時期は首や背中が固まって呼吸が浅くなっている方も多く、体の側の負担を減らすことで「目が覚めたあとに眠りに戻りやすくなった」とおっしゃる方はいらっしゃいます。婦人科での相談と並行していただくのがよいと考えています。

Q4. 何回くらい通えばいいですか

A. 回数でお答えするのは避けています。同じ「夜中に目が覚める」でも、体の側の手がかりの大きさも、生活の負担も方によって違うからです。まず10回を目安に経過を見させていただき、そこで続けるか間隔を広げるかを一緒に決めます。眠りは波があるので、1回ごとではなく「眠れる日が増えたか」で見ていきます。

Q5. 眠れないのは年のせいだと言われました。もう仕方ないのでしょうか

A. 加齢は確かに要因の一つです。ただ、加齢は「何もできない」と同じ意味ではありません。年齢とともに眠りが浅くなる分に、体の硬さや呼吸の浅さが上乗せされていることがあります。上乗せの分は見直せる余地があります。当院がお伝えした70代の方も、そこから変わっていきました。

Q6. 家族が夜中に目が覚めているようです。本人は「年のせい」と言って動きません

A. 高齢の方、特にお一人暮らしの方は、眠れないことをご自分から口にしないことが多いです。当院にいらっしゃった方も、ご自分からは眠れないと言い出しにくそうでした。「最近ちゃんと眠れてる?」の一言が入り口になります。眠れていないようなら、体を見てもらう選択肢と、医療機関に相談する選択肢の両方があることを伝えてあげてください。

■ まとめ:心か体かを決めつける前に、確かめてください

夜中に目が覚めて眠れない悩みは、不眠の3つの型の中で一番多いものです。多いのに、体の側から見てもらう機会はほとんどありません。

当院は、眠りの背景を心・体・加齢の3つに分け、体の側では肋骨の動き・呼吸の入り方・首の後ろの硬さを確かめています。手がかりがあれば整え、薄ければそのままお伝えします。体だけでは戻らない方には、環境の見直しと医療機関の扉も一緒にお示しします。

夜中に目が覚めていた70代の方は、施術と医療機関の両方がそろって、眠りが安定しました。眠れるようになったあとのその方は、表情が明らかに変わりました。眠れることは、その方の一日全部が変わることなのだと、あらためて教わりました。

「心の問題」と決めつけて体を見ないのも、「体の問題」と決めつけて医療を避けるのも、入り口を一つに絞りすぎています。あきらめる前に、まず体の側に手がかりがあるかどうかを確かめに来てください。

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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。

【参考文献】
An epidemiological study of insomnia among the Japanese general population.(Kim K, Uchiyama M, Okawa M, Liu X, Ogihara R. Sleep. 2000)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10678464/

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。