朝起きられない、起き上がると立ちくらみがする、日中もだるさが抜けない。大人になってからこの状態が続くと、「自分の気持ちの弱さではないか」と考えてしまう方が少なくありません。深谷市の当院にも、腰や肩のご相談で来られた方から、話の途中でこうしたお困りごとを伺うことがあります。先にお伝えしたいのは、朝のつらさは気合いの問題ではないということ、そして、この症状には先に医療機関で確かめるべきものと、体の側から手が出せるものが混ざっているということです。この記事では、その線引きを隠さずにお話しします。

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大人が朝起きられないのは、気合いや根性の問題ではありません

結論からお伝えします。大人の「朝起きられない」は、意志の強さで説明できるものではありません。朝という時間帯は、体の中で血圧・体温・自律神経の働きが大きく切り替わるタイミングです。この切り替えがうまくいかないとき、目は覚めているのに体が動かない、起き上がると視界が暗くなる、といったことが起こります。

当院に寄せられるご相談を振り返っても、朝のつらさや眠りの浅さを「それ自体を相談したくて」来院される方は、実はあまり多くありません。腰や肩の痛みで来られた方に問診でお伺いすると、「そういえば何年も前から朝が起きられない」というお答えが返ってくる。この順番がほとんどです。

つまり、朝のつらさは単独では相談されにくい症状だということです。相談されないまま何年も続いている方が、かなりの数いらっしゃると当院は考えています。だからこそ、まず「これは相談していい体の症状だ」というところからお伝えしたいと思います。

「朝起きられない」の裏側は、大きく4つに分けられます

先に答えを言うと、朝起きられない状態の背景は、相談先が異なる4つの箱に分けられます。自分がどの箱の話なのかを決めないまま対策を始めると、遠回りになります。

1つ目は、睡眠そのものの問題です。寝る時刻が後ろにずれ続けている、いびきが大きく夜中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある、といった場合です。これは体の使い方ではなく、睡眠を専門に診る医療機関の領域です。

2つ目は、血圧や自律神経の切り替えの問題です。起き上がったときに立ちくらみやふらつきが出る、午前中だけ調子が悪く午後から回復する、という出方をします。あとで触れる起立性調節障害は、この箱に入ります。

3つ目は、気持ちの負担が体に出ているケースです。朝がいちばんつらく、以前は楽しめていたことが楽しめない、食欲が落ちた、といったサインを伴うことがあります。これは心を扱う専門の領域で、当院が担当すべきものではありません。

4つ目が、体の使い方や緊張の積み重ねです。首や背中がいつも張っている、呼吸が浅い、寝ても疲れが抜けない。この箱は、当院のような接骨院・整体院が検査で確かめられる領域になります。

朝のつらさの出方考えられる箱まず相談する先
寝る時刻がどんどん後ろにずれる/いびき・呼吸の止まりを指摘された睡眠そのものの問題睡眠を扱う医療機関(内科・睡眠外来など)
起き上がると立ちくらみ・ふらつき/午前だけ不調で午後は回復する血圧・自律神経の切り替え内科などの医療機関で確かめたうえで、体の側の相談も選択肢に
朝がいちばん気持ちが重い/楽しめない・食欲が落ちた気持ちの負担が体に出ている心療内科・精神科など心を扱う医療機関
首・背中がいつも張る/呼吸が浅い/寝ても疲れが残る体の使い方と緊張の積み重ね接骨院・整体院での検査という選択肢がある

この表は、どれか1つに決まるという意味ではありません。実際には2つ3つが重なっている方が多く、当院でも「どの箱が何割くらいか」を確かめるところから始めています。

先に医療機関で確かめてほしいサイン

次のような場合は、体の側の施術より先に、医療機関を受診してください。

朝の頭痛が以前と明らかに違う、または今までに経験のない激しい頭痛がある場合。ろれつが回らない、手足に力が入らない、顔の動きに左右差があるといった症状を伴う場合。夜中にいびきが止まって呼吸が止まっていると家族に指摘された場合。体重が短期間で大きく減った、または増えた場合。気持ちが強く落ち込み、朝がいちばんつらい状態が2週間以上続いている場合。

これらは、脳・心臓・呼吸・ホルモン・心の領域に、先に確かめるべきものが隠れている可能性があるためです。当院でも初回の問診とテストで「施術で対応してよい状態か」を必ず確認し、医療機関が先だと判断した場合は、施術をせずに受診をお勧めしています。

起立性調節障害は、子どもだけの症状ではありません

起立性調節障害とは、立ち上がったときに血圧や心拍の調整がうまく働かず、立ちくらみ・ふらつき・朝起きられない・午前中の不調といった症状が出る状態を指す呼び方です。中学生・高校生に多いことがよく知られていますが、大人になってから症状が続く方、大人になってから出てくる方もいらっしゃいます。

「子どもの症状」という理解が広まっている分、大人の方が「自分には関係ない」と考えてしまいやすい。ここが見落としの入口になっていると当院は感じています。

なお、起立性調節障害かどうかの判断は医療機関で行われるものです。当院が行うのは診断ではなく、その方の体の側にどれだけ変えられる余地があるかを検査で確かめることです。

立ちくらみが起きているとき、体の中で何が起きているのか

立ち上がるという動作は、体にとって小さくない負担です。横になっている状態から急に立つと、血液は重力によって下半身に移動します。それを見越して血管を締め、心拍を上げて、脳への血液を保つ——この一連の調整を担っているのが自律神経です。

この調整が追いつかないとき、視界が暗くなる、ふらつく、気分が悪くなるといった症状が現れます。医学的には、こうした立った姿勢によって引き起こされる反応が起立不耐(きりつふたい)と呼ばれる状態を特徴づけるものとされ、その前段階に現れる症状として吐き気・かすみ目・めまいなどが挙げられています(記事末尾の参考文献)。

大切なのは、これが「気の持ちよう」ではなく、体の調整の話として研究されている領域だという点です。

当院が体のどこを見ているか——検査で確かめていること

当院が朝のつらさのご相談で最初に確かめるのは、実は睡眠そのものではありません。呼吸と、背骨・肋骨の動きです。

具体的には、左右の肋骨がどのくらい均等に動いているか、息を吸ったときにどこまで胸郭が広がるか、首の付け根から背中の上部にかけてどこが固まっているかを、触れて確かめます。これは「気持ちの問題ではないこと」を体の側から示すための検査でもあります。

なぜここを見るのか。自律神経の通り道は背骨に沿って走っており、胸郭の動きが落ちると呼吸が浅くなり、体は常に少し緊張した状態に置かれます。夜になっても緊張が解けにくく、眠りが浅くなり、朝の切り替えがうまくいかない。この順番で説明がつく方が、当院の記録では確かにいらっしゃいます。

反対に、検査をして体の側にほとんど問題が見つからないこともあります。その場合は正直にそうお伝えし、別の箱の可能性をご説明します。

ここまで読んで「自分のことかもしれない」と思った方へ。まず検査で、どこに負担が集まっているかを確かめます。空き状況はネット予約でその場で確認できます。

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当院にあった記録——夜中に目が覚めて眠れなくなっていた方

当院に、夜中に目が覚めるとそのまま眠れなくなってしまう、というお悩みで通われていた高齢の男性がいらっしゃいました。

検査で分かったのは、片側の肋骨の動きが目立って落ちていたことです。呼吸をするときに胸郭がうまく広がらず、常に浅い呼吸になっていました。当院では背骨と胸郭の動きを出す施術と、自律神経の働きに関わる部位へのアプローチを続けました。

経過の中で、眠れる時間が少しずつ戻ってきました。そして途中から、ご本人が医療機関にもかかるようになりました。ここが大切な部分です。施術だけでも、医療機関の対応だけでもなく、両方が揃ってから状態がはっきり安定していきました(経過には個人差があります)。

当院はこの記録を、「体の側からの働きかけが糸口になることがある」と同時に、「体の側だけで抱え込むべきではない」という両方の意味で受け止めています。

正直にお伝えします——「これで全部良くなる」とは言えません

朝起きられない、立ちくらみとだるさが続く、医療機関では異常なしと言われた。こうしたご相談をいただいたとき、当院は「良くなります」とはお答えしていません。

理由は2つあります。1つは、立ちくらみとだるさが何から来ているのかは、その場では分からないことが多いからです。血圧の問題かもしれませんし、自律神経の働きが落ちているのかもしれません。もう1つは、気持ちの負担が大きく関わっている場合、その原因そのものを当院が取り除くことはできないからです。

そのうえで当院がお伝えしているのは、症状を分けて見通しをお話しするという形です。首や肩の張り、呼吸の浅さのように、身体的な要因がはっきりしているものは変わっていく確度が高い。一方で、気持ちの要因が大きいものは、やってみながら経過を追う形になります。この2つを一緒にして「良くなります」と言うことはしていません。

体の側から自律神経の働きに働きかけることはできます。ただし、それで全部が変わるわけではなく、やってみないと分からない部分が残る。この線引きを最初にお伝えするのが、当院のやり方です。

明日の朝から試せること

ひとつ目は、起き上がり方を変えることです。目が覚めたらすぐ起き上がるのではなく、あおむけのまま足首を10回ほど動かし、ひざを立ててから横向きになり、手をついてゆっくり起きる。下半身にたまった血液を戻してから起きると、立ちくらみが軽くなる方がいらっしゃいます。

ふたつ目は、朝の光と水です。起きたらカーテンを開けて光を浴び、コップ1杯の水を飲む。体内時計と循環の両方に働きかける、費用のかからない方法です。

みっつ目は、日中の呼吸です。デスクワークの合間に、背もたれから背中を離して、息を吸いながら肋骨を横に広げるように3回。胸を張って反らせるのではなく、横に広げる意識で行います。

そして、記録をつけることです。何時に寝て何時に起きたか、朝のつらさが10段階でどのくらいか。1〜2週間分あると、ご自身のパターンが見えてきますし、当院の検査でも大切な材料になります。

朝起きられない大人の方からよくいただく質問

Q1. 朝起きられないのは、ただの寝不足ではないのでしょうか。
A. 寝不足が続けば誰でも朝はつらくなります。見分けたいのは、十分に寝た翌日でも同じようにつらいかどうかです。睡眠時間を確保しても変わらない場合は、睡眠以外の箱を考える価値があります。

Q2. 医療機関で検査を受けて「異常なし」と言われました。もう打つ手はないのでしょうか。
A. 「異常なし」は、急いで対応すべき病気が見つからなかったという意味であって、体の状態が万全という意味ではありません。検査で映らない範囲——首や背中の緊張、呼吸の浅さ、体の使い方——は残っています。そこを確かめる選択肢はあります。

Q3. 大人でも起立性調節障害になりますか。
A. 中学生・高校生に多いことが知られていますが、大人で症状が続く方もいらっしゃいます。判断は医療機関で行われますので、立ちくらみが強い場合はまず受診をお勧めしています。

Q4. 施術でどのくらい変わりますか。
A. 一律の回数はお伝えしていません。首や肩の張り、呼吸の浅さのように身体的な要因がはっきりしているものは変化が出やすく、気持ちの要因が大きいものはやってみながら経過を追う形になります。初回の検査で状態をご説明したうえで、進め方の見通しを個別にお伝えしています。

Q5. 医療機関に通いながら相談してもいいですか。
A. はい。当院では、医療機関での対応と体の側からの働きかけを並行していただくことに問題はないと考えています。実際に、両方が揃ってから状態が安定していった方もいらっしゃいます。

Q6. 深谷市外からでも相談できますか。
A. はい。深谷市のほか、寄居町・熊谷市など近隣から来院される方もいらっしゃいます。

まとめ——まず「どの箱の話か」を分けるところから

朝起きられない、立ちくらみがする、だるさが抜けない。この状態を一気に良くする方法を、当院はお約束できません。ただ、どの箱の話なのかを分けることはできます。

睡眠そのものの問題なのか、血圧や自律神経の切り替えなのか、気持ちの負担なのか、体の使い方と緊張の積み重ねなのか。分けてから動くだけで、遠回りはかなり減ります。そして4つ目の箱については、当院が検査で確かめられます。

何年も「気合いが足りないだけ」と自分に言い聞かせてきた方こそ、一度体の側から見てみてほしいと思います。

深谷たいよう接骨院・整体院:深谷たいよう接骨院・整体院ホームページ

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自律神経の乱れによる不調(深谷市・深谷たいよう接骨院・整体院)
検査で異常なしと言われる不調へ|深谷市の接骨院が伝える自律神経の乱れとの向き合い方

著者:田島 陽平(たじま ようへい)
治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。

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参考文献:立った姿勢によって引き起こされる反応が起立不耐という状態を特徴づけること、その前段階に現れる症状として吐き気・かすみ目・めまいなどが挙げられることが報告されています。
Orthostatic Intolerance in Older Persons: Etiology and Countermeasures(Frontiers in Physiology, 2017)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。