交通事故のあと、むちうちと言われた。いつまでかかるのか、先が見えなくて不安。
そんな状態で困っておられませんか。
インターネットで調べると「平均3ヶ月」という数字がよく出てきます。ただ、当院で実際に拝見してきた方々の期間は、その数字にきれいに収まってはいませんでした。
この記事では、深谷市で交通事故のケアを行ってきた立場から、期間の考え方をお伝えします。
■ むちうちは、どれくらいで良くなるのか
先にお伝えしておくと、期間を最初に言い切ることはできません。
痛む場所の数、動きの制限の強さ、お仕事の内容、通える頻度。これらが人によって違う以上、同じ期間がすべての方に当てはまるということはありません。
そのうえで、当院の記録から見えたことをお伝えします。
■ 「平均3ヶ月」という数字について
交通事故の話題では、3ヶ月という数字がよく出てきます。
これは体の回復の目安として語られることもあれば、保険の手続き上の区切りとして語られることもあります。同じ数字でも、意味が違うということです。
大切なのは、この数字がご自身の状態を表しているわけではないという点です。平均は平均であって、目の前の体の状態とは別のものです。
■ 当院の記録では2ヶ月から11ヶ月まで開きがある
当院の交通事故の記録をあらためて見直してみました。
記録は15件。通院の期間を並べていくと、2ヶ月で終了された方から、11ヶ月にわたった方までいらっしゃいました。
15件という数は統計と呼べる規模ではありません。ただ、少なくとも当院で拝見してきた範囲では、期間はひとつの数字で説明できるものではありませんでした。
短く終わった方が良くて、長くかかった方が悪いということでもありません。事故の状況も、痛めた場所も、生活の条件も違うためです。
■ 期間を左右するもの
| 要素 | 期間が長くなりやすい場合 | 短めに落ち着きやすい場合 |
| 痛めた場所の数 | 複数の場所を同時に痛めている | 1〜2か所に絞られている |
| 動きの制限 | どの方向にも動かしにくい | 一部の動きだけ制限がある |
| もともとの状態 | 姿勢の癖や既往がある | 事故の前は特に問題がなかった |
| 生活の条件 | 仕事で同じ負担が続く | 負担を減らせる環境にある |
| 症状の変化 | 途中で別の症状が出てくる | 順調に軽くなっていく |
この表は当院で見ている目安であり、当てはめれば期間が分かるというものではありません。
■ 実際にあった例:約4ヶ月かけて経過を追った20代の方
旅行先でレンタカーを運転していたところ、後方から追突される事故に遭われた20代の女性の方です。
事故は旅行先で起きましたので、帰宅されてから当院にご連絡をいただきました。知り合いの整形外科をご紹介し、併診という形で進めていきました。
主な症状は腰部と首の痛み。お仕事終わりに毎日通っていただき、約4ヶ月にわたって施術を続けました。
この方の場合、もともと姿勢の癖があったため、事故のケアの一環として背骨の矯正も併せて行っています。
痛みそのものだけを見るなら、もっと早い段階で落ち着いていたかもしれません。ただ、その痛みが続きやすい土台のほうにも目を向けたため、その分の時間がかかりました。
■ 実際にあった例:3か所を痛めた50代の方
深谷市にお住まいの50代の男性で、バイクを運転中に他のバイクと衝突する事故に遭われた方です。
整形外科でレントゲン検査を受け、左膝と首の2か所の負傷と診断されました。当院では首・腰・左膝の痛みを確認しています。
この方は「早く普通の生活に戻りたい」というお気持ちが強く、毎日通っていただきました。月に1〜2回は整形外科を受診しながら、それ以外の日は当院に通うという形です。
3か所が同時に痛む場合、一度にすべてを扱おうとすると体への負担が大きくなります。当院では優先順位をつけながら、その日の状態に合わせて進めていきました。
痛めた場所の数は、期間に関わる要素のひとつです。
■ 回復の段階と、その時期にやること
事故のあとの経過は、大きく分けて3つの時期に分けて考えています。
はじめは、炎症が強く出ている時期です。この時期は無理に動かさず、負担を減らすことを優先します。
次に、炎症が落ち着いてきて、動きの制限が目立ってくる時期です。ここから、動かしにくくなっている部分に対して施術を進めていきます。
そして、日常の動作が戻ってきて、特定の場面だけつらさが残る時期です。この段階では、その場面での負担をどう減らすかという話が中心になります。
同じ「通院中」でも、時期によってやっていることは違います。
■ 途中で良くなったと感じたとき
痛みが軽くなってくると、「もう通わなくてもいいのでは」と感じる方がいらっしゃいます。
痛みが軽くなること自体は良いことです。ただ、痛みが引いていても、動きの制限が残っていることがあります。
制限が残ったまま日常に戻ると、その部分をかばう動きが続いて、別の場所に負担が移ることがあります。
自己判断で終わりにする前に、一度ご相談ください。
交通事故のむち打ち全体の流れについては、こちらでも整理しています。
交通事故のむち打ち、症状と回復の基本|深谷市の接骨院が自律神経症状から解説
https://taiyo-fukaya.com/blog/whiplash-recovery-basics/
■ 長引いているように感じるとき
「もう何ヶ月も通っているのに、まだ痛い」と感じられることがあります。
このとき見ていただきたいのが、事故の直後と今を比べてどうかという点です。
痛みは日によって波があります。昨日と今日を比べると変わっていないように感じても、1ヶ月前と比べると動ける範囲が広がっていることがあります。
当院では、初診のときにできなかった動作を控えるようにしています。「あのときは振り向けなかった」「あのときは靴下が履けなかった」という記録があると、変化が見えやすくなるためです。
一方で、本当に変化が止まっている場合もあります。その場合は、施術の内容を見直すか、あらためて医療機関で確認していただくかを検討します。長引いていると感じたら、そのまま通い続けるのではなく、一度その感覚をお聞かせください。
■ 保険の区切りと体の状態は別のもの
通院の期間について、保険会社から連絡が入ることがあります。
このとき知っておいていただきたいのは、保険の手続き上の区切りと、体の状態は別のものだということです。
まだつらさが残っている段階で区切りが来そうな場合は、そのことを早めにご相談ください。ご自身の状態を正確に伝えることが大切になります。
病院で「異常なし」と言われた後の進め方については、こちらでも整理しています。
交通事故後、病院で「異常なし」と言われても痛みが続く方へ|深谷市の接骨院が伝える治療終了後の選択肢
https://taiyo-fukaya.com/blog/traffic-accident-after-hospital/
■ 自宅で気をつけたいこと
・期間の平均値と、ご自身の状態を比べないでください
・痛みが軽くなっても、動きの制限が残っていないか確認してください
・症状が途中で変わった場合は、早めにお伝えください
・痛む場所を強く揉むことは、時期によってはおすすめしません
・保険会社から連絡があった場合は、早めにお知らせください
■ よくある質問
Q. むちうちは何ヶ月くらいかかりますか。
A. 一律にはお答えできません。当院の記録では2ヶ月から11ヶ月まで開きがありました。初回に状態を確認したうえでご説明します。
Q. 平均3ヶ月と聞きましたが、それを過ぎても痛いです。
A. 平均はご自身の状態を表すものではありません。痛みが続いているのであれば、そのことを医療機関にもお伝えください。
Q. 早く通えば早く終わりますか。
A. 頻度だけで期間が決まるわけではありません。時期に応じて必要なことが変わりますので、状態を見ながら進めていきます。
Q. 痛みが引いたので終わりにしていいですか。
A. 動きの制限が残っていることがあります。自己判断の前に一度ご相談ください。
Q. 途中で別の症状が出てきました。
A. 早めにお伝えください。医療機関にもあわせてご相談いただくことをおすすめします。
Q. 交通事故の施術に費用はかかりますか。
A. 自賠責保険の対象となる場合があります。詳しくは初回にご案内します。
■ まとめ:期間を決めるのは症状であって平均値ではない
当院で拝見してきた範囲では、通院の期間は2ヶ月から11ヶ月まで開きがありました。平均という一つの数字では、この幅は説明できません。
大切なのは、いま自分の体がどの段階にあるかを知ることだと考えています。段階が分かれば、次に何をする時期かも見えてきます。
まずは医療機関で状態を確認していただき、そのうえで気になることがあれば、当院にもお気軽にご相談ください。
▼この症状の専門ページ:交通事故治療について詳しくはこちら|深谷たいよう接骨院
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
参考文献(PubMedで実在と内容を確認しています)
・A prospective cohort study of health outcomes following whiplash associated disorders in an Australian population(むち打ち後の経過を長期にわたって追った前向きコホート研究。回復までの経過には個人差が大きいことが報告されています)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2564458/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。


