ふくらはぎが痛い。張る。しびれる。
同じ言葉でも、10代の方と70代の方では、まったく違うことが起きています。そして中には、当院ではなく先に病院へ行っていただきたい場合もあります。
深谷市の当院には、18歳の学生さんから78歳の方まで、ふくらはぎの症状でご相談いただきます。この記事では、年代と出方によって見る場所がどう変わるのかを、実際の記録を交えてお話しします。
■ ふくらはぎの痛み・しびれは、原因の幅がとても広いところです
ふくらはぎは、体の中でも症状の出やすい場所です。理由は単純で、立つ・歩くという動作の負担が最後に集まるところだからです。
そのぶん、原因の候補も広くなります。
筋肉そのものの使いすぎ。腰から出ている神経の通り道が狭くなっていること。お尻の奥の筋肉が神経を刺激していること。そして、血管の問題。
「ふくらはぎが痛い」という言葉だけでは、このどれなのか決まりません。ですから当院は、痛む場所を揉む前に、いくつか確かめることから始めます。
■ まず確かめてほしいこと——歩くと出るのか、じっとしていても出るのか
ご自身でも観察できます。3つだけ見てください。
ひとつ目。歩くと出るのか、じっとしていても出るのか。
歩いているうちに出てきて、少し休むとまた歩ける。この出方をする場合は、確かめておきたいことがあります(次の項でお話しします)。
ふたつ目。片足だけか、両足か。
片側だけなら、腰やお尻からの神経の関与を考えやすくなります。両足に均等なら、別の可能性も含めて考えます。
みっつ目。しびれを伴うか、張りや重さだけか。
しびれがあるなら神経が関わっている可能性が上がります。張りや重さだけなら、筋肉側の負担が中心かもしれません。
| 出方 | まず考えること | どこへ |
| 歩くと出て、休むと歩ける | 神経の通り道か、血管の問題 | まず医療機関へ |
| 運動のあとに張る・重い | 筋肉の負担と、その上流の使い方 | 当院でご相談いただけます |
| 片側にしびれが走る | 腰やお尻から出ている神経 | 当院でご相談いただけます |
| じっとしていても強く痛む・夜も痛む | 当院の範囲を超える可能性 | 医療機関へ |
| 足の色が悪い・冷たい | 血管の問題 | すぐ医療機関へ |
■ 血管の問題が隠れていることがあります
これは先にお伝えしておきます。
ふくらはぎの痛みには、血管の流れが悪くなって起きるものがあります。歩くと痛くなって休むと治まる、という出方は、神経の通り道が狭い場合にも、血管の場合にも起こり得ます。
見分けるには、足の血流を確かめる検査が必要です。当院にはできません。柔道整復師には検査の設備も、診断の権限もないからです。
ですから当院は、次のような場合には施術の前に受診をおすすめしています。
足の色が悪い、または左右で違う。片方だけ明らかに冷たい。傷が治りにくい。じっとしていても痛む。夜、寝ていて痛みで目が覚める。
こうした場合は、まず医療機関で確かめてください。ここを飛ばして施術を始めるのは、当院としてはできません。
■ 若い方のふくらはぎ——使いすぎと、その上流にあるもの
ここから年代別の話です。
10代から20代の方でふくらはぎの張りを訴えられる場合、多くは運動に関係しています。ただ、当院が見るのはふくらはぎだけではありません。
ふくらはぎは、上から降りてきた負担を受け止める場所です。骨盤の傾きが強ければ、太ももの裏が引っ張られ続けます。太ももの裏が硬くなれば、その下のふくらはぎも一緒に張ってきます。
つまり、ふくらはぎが張っているとき、原因はふくらはぎより上にあることが少なくありません。ここを揉んで終わりにすると、また同じところが張ってきます。
■ 高校最後の大会を控えた18歳の話
当院の記録からお話しします。
バレーボール部の18歳の男子学生です。強豪校で、休みも少なく、痛みがある中でも練習を続けなければならない状況でした。
ご相談は、腰の痛みと、両方の太ももの裏の張り、そして両方のふくらはぎの張りでした。片側ではなく、両方に出ていたのが特徴です。
来られたとき、本人がこう言いました。
「そこまでに体を良くしたい」
3ヶ月後に、高校最後の大会が控えていました。
このとき当院が確かめたのも、ふくらはぎではありませんでした。腰から太もも裏、そしてふくらはぎへと連なる流れです。腰の痛みと下の張りは、別々の症状ではなく、一続きのものとして見ています。
腰の痛みが落ち着いてから、太ももとふくらはぎの張りが引いていきました。順番があったということです。
そしてこの方は、最後の大会に出場されました。
ここでお伝えしたいのは、練習を止められない状況でも、できることはあるということです。ただし、それは「痛みを我慢して続けていい」という意味ではありません。何を残して何を減らすかを、一緒に決める必要があります。
お尻の奥の筋肉が張りに関わっているケースについては、こちらでも詳しくお話ししています。
深谷市で腰痛にお悩みの方へ|「梨状筋」という視点
https://taiyo-fukaya.com/blog/lumbago-piriformis/
■ 年齢を重ねた方のふくらはぎ——神経の通り道と、支え続ける筋肉
年代が上がると、見る場所が変わります。
背骨の中には、神経が通る道があります。年齢とともにこの道が狭くなってくることがあり、そうなると足にしびれや痛みが出ます。歩いていると出てきて、休むと治まる。この出方をされる方が多くなります。
そしてもうひとつ、当院が必ず見ているのが姿勢です。
体が傾いていると、倒れないように支える側の筋肉がずっと働き続けることになります。休む時間がありません。この状態が続けば、筋肉は疲れきってしまいます。
■ 5年続いた狭窄症の方に、初診でお伝えしたこと
もうひとつの記録です。
78歳の男性で、脊柱管狭窄症が5年続いていました。足のしびれと、右足の感覚が鈍くなるのがご相談でした。
確かめると、右の腰が一番つらく、背骨が右に曲がり、上半身は左に傾いていました。倒れそうになる体を支えるために、右側の腰の筋肉がずっと縮み続けている状態です。
このとき当院がお伝えした例えが、こうでした。
「綱引きで、ずっと踏ん張っているような状態です」
引っ張られ続けている側は、力を抜く瞬間がありません。だから慢性的に疲れきってしまう。ふくらはぎのしびれも、この全体の傾きと無関係ではないと当院は見ました。
この方の希望は、はっきりしていました。
「背中の張りがなく、腰痛もなく、普通にさっさと歩けるようになりたい」
そして初診で、当院はこうお伝えしました。脊柱管狭窄症は進行していく状態であり、年齢的にも、病態そのものがなくなることはありません、と。
期待に応える言葉ではありません。ご本人には、将来動けなくなることへの不安や、車椅子になることへの怖さがありました。それでも、できないことをできると言うわけにはいきません。
当院ができるのは、支え続けている筋肉の負担を減らすことと、傾きをこれ以上進ませないように付き合っていくことです。そこは正直に線を引いたうえで始めました。
歩くと出て休むと歩ける、という出方についてはこちらでも詳しくお話ししています。
歩くと足が痛くなり、休むと歩ける方へ|間欠性跛行の見分け方と実例
https://taiyo-fukaya.com/blog/intermittent-claudication-fukaya/
■ ふくらはぎにやらないほうがいいこと
当院の記録から感じていることを挙げます。
ひとつ目。強く揉み続けないでください。
張っているところを強く押すと、その場は楽になった気がします。ですが原因が上流にある場合、また同じところが張ってきます。しびれを伴う場合は、強い刺激で反応が強く出ることもあります。
ふたつ目。歩くと出る症状を、様子見で放置しないでください。
歩いて出て休むと治まる出方は、神経の通り道の問題のことも、血管の問題のこともあります。血管であれば、施術で様子を見ていい状態ではありません。
みっつ目。痛みを我慢して運動量を保たないでください。
先ほどの18歳の方は、練習を止められない状況でした。それでも「全部そのまま続ける」ではなく、何を減らすかを決めています。
よっつ目。ふくらはぎだけをケアして終わらせないでください。
腰・お尻・太もも裏まで含めて見ないと、張る理由のほうが残ります。
■ よくある質問
Q. ふくらはぎが痛いのですが、何が原因ですか。
A. 原因の幅が広い場所です。筋肉の使いすぎ、腰から出る神経、お尻の筋肉、血管の問題まで含まれます。年代と出方によって考える順番が変わります。
Q. 歩くと痛くて、休むと歩けます。これは何ですか。
A. 神経の通り道が狭くなっている場合と、血管の流れの問題の場合があります。見分けには検査が必要なので、まず医療機関で確かめてください。
Q. 両足のふくらはぎが張ります。
A. 両側の場合は、腰から下への全体の負担や、運動量の影響を考えます。しびれを伴う場合は一度受診をおすすめします。
Q. マッサージでは良くならないのでしょうか。
A. 張っている場所を緩めれば一時的に楽になります。ただし張る理由が上流にある場合、戻ります。当院は腰やお尻まで含めて確かめます。
Q. 部活を続けながら通えますか。
A. 通えます。ただし全部そのまま続ける前提ではなく、何を減らすかを一緒に決めさせてください。
Q. 高齢で狭窄症と言われています。良くなりますか。
A. 進行していく状態のため、病態そのものがなくなることはありません。当院ができるのは負担を減らし、付き合いやすくすることです。そこは正直にお伝えします。
Q. 足が冷たくて色も悪い気がします。
A. 血管の問題が疑われます。施術より先に医療機関を受診してください。
■ まとめ:ふくらはぎだけを見ても、答えは出ません
ふくらはぎの症状は、原因の幅がとても広い場所です。18歳の運動をされている方と、78歳で神経の通り道が狭くなっている方とでは、見る場所がまったく違います。
そして、血管の問題が隠れていることがあります。歩くと出て休むと治まる、足の色が悪い、冷たい。こうした場合は当院ではなく、まず医療機関です。
当院が確かめるのは、ふくらはぎより上です。腰の傾き、お尻、太ももの裏。そこが変わらないと、張る理由のほうが残ります。
いつから、どんなときに出るのか。片方か両方か。それだけ持ってご相談ください。
▼この症状の専門ページ:神経痛しびれ特別治療について詳しくはこちら|深谷たいよう接骨院
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
【参考文献】
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。


