深谷市で、腰痛やお尻の痛みが続いていてなかなか改善しないという方からのご相談を、日頃からいただくことがあります。中には、他の整体院に長期間通っても変化がなかったという方もいらっしゃいます。今回は、柔道整復師歴20年以上の施術者が在籍する当院が、実際の症例を交えながら腰痛への考え方をできるだけ詳しくお伝えします。

深谷市には、車での移動が多い方、事務作業で長時間座り続ける方、育児や家事で腰に負担がかかりやすい方など、さまざまな生活背景を持つ方がいらっしゃいます。同じ「腰痛」という症状であっても、日々の生活習慣によって背景にある要因が異なることがあります。

腰痛はなぜ起こるのか|急性腰痛と慢性腰痛の違い

腰は、5つの腰椎とその間にある椎間板、周囲の筋肉・靭帯・神経が複雑に関わり合って成り立っています。腰痛というと「腰の筋肉の問題」と思われがちですが、当院では、関節の動きが本来の状態でなくなる「機能障害」が背景にあるケースが多いと考えています。関節の動きが悪くなると、その周囲の神経が刺激を受け、筋肉の過緊張につながることがあります。

腰痛は大きく2つに分けて考えることができます。一つは、急に動けなくなる・特定の動作で強い痛みが走る「急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)」。もう一つは、だるさや重さが何年も続き、マッサージや薬では変化を感じにくい「慢性腰痛」です。どちらの場合も、「なぜそこに痛みが起きているのか」という背景に目を向けなければ、同じことを繰り返しやすいと当院では考えています。

また、腰の痛みの原因が腰だけにあるとは限りません。骨盤・胸椎(背骨の中間部)・頸椎(首)はつながっており、どこか一カ所の機能が低下すると、他の部位がそれを補おうとして負担がかかります。腰は「全身のしわ寄せが集まりやすい場所」と言われることもあります。今回ご紹介する梨状筋のケースも、まさに「痛みの出ている場所」と「原因のある場所」が違っていた一例です。

半年〜1年半通っても改善しなかった腰痛が、梨状筋から見えてきたこと

以前、深谷市近辺にお住まいの40代男性の方が、腰痛とお尻の痛みでご来院されました。深谷市近辺の整体院に2週間に1回のペースで半年から1年半ほど通い、脊椎の矯正を中心とした施術を受けていたものの、変化を感じられなかったとのことでした。

当院での検査により、この方の慢性的な腰痛は、腰椎そのものに過度な負担がかかる機能障害が背景にあると考えられました。長時間の座り姿勢や車移動の積み重ねが、腰椎への負担を蓄積させていた可能性があります。さらに、お尻の痛みについては、当初は腰椎の問題から来ているのではないかと推測しましたが、詳しく検査したところ「梨状筋(りじょうきん)」という、お尻の深部にある筋肉の機能異常が関わっていると考えられました。

梨状筋は、お尻の深いところにある小さな筋肉で、股関節の外旋(足を外側に向ける動き)に関わっています。この筋肉のすぐ近くを坐骨神経が通っているため、梨状筋の状態が悪化すると、坐骨神経痛のような症状につながることもある部位です。今回のケースでは、しびれのような神経症状までは出ていませんでしたが、梨状筋の機能異常が腰やお尻の痛みという形で表れていたと考えられました。

梨状筋の機能に異常が起きると、足が外側にねじれる動き(外旋)が固まりやすくなり、その状態が骨盤・腰椎への負担につながり、腰痛として表れることがあります。この方の場合、痛みの出ている場所は腰とお尻でしたが、根本にある問題は梨状筋という深部の筋肉の機能異常にあり、単純に腰椎だけを見ていては気づきにくい構造だったと考えられます。

梨状筋の機能異常を見極める検査方法

当院では、この梨状筋の機能異常を確認するために、次のような検査を行っています。まず仰向けになっていただきます。立った状態では、身体が無意識にバランスを補正してしまうため、正確な状態が分かりにくいことがあるためです。

次に、「お尻を5秒間上げて下ろす」という動作をしていただきます。この動作によって、立位で生じていた無意識の補正がリセットされ、本来の身体の状態が確認しやすくなります。そのうえで、両足の開き具合を確認します。両足が均等に開いていれば正常な状態に近く、片方だけが大きく開いている場合は、梨状筋の機能異常を示唆するサインと考えられます。

このケースでは、片方の足だけが大きく開いており、梨状筋の機能異常のサインが明確に見られました。この検査方法は、立った状態での見た目や、痛む場所を触っただけでは分かりにくい情報を得られる点が特徴です。当院では、こうした検査を通じて、痛みの原因がどこにあるのかを一つずつ丁寧に確認するようにしています。

梨状筋症候群と似た症状の見分け方

お尻から足にかけての痛み・しびれにはいくつかの背景が考えられます。ご自身の症状がどのパターンに近いかを知ることは、セルフケアの方向性を考えるうえでも役立ちます。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、確定診断には医療機関での検査が必要です。

背景にある原因見られやすい頻度症状が強くなりやすいタイミング
腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症など坐骨神経痛の背景として比較的多いとされています前かがみの姿勢や、長時間立つ・歩くことで強くなりやすい傾向
梨状筋症候群坐骨神経痛全体から見ると比較的まれな原因の一つとされています座っているときや、股関節を内側にねじる動きで症状が出やすい傾向

まず医療機関の受診をおすすめする症状(レッドフラッグ)

次のような症状がある場合は、施術より先に医療機関での検査を優先してください。安静にしていても痛みが続く(夜間痛がある)、体重が急に減っている、発熱を伴っている、排尿・排便のコントロールが難しくなっている——これらは「レッドフラッグ(危険サイン)」と呼ばれ、内臓の病気や骨折など、筋肉・関節以外の原因が関わっている可能性があるためです。当院でも、検査の際にこうしたサインがないかを必ず確認し、疑わしい場合は整形外科や内科での精密検査を優先してご案内しています。

なぜ長期間の整体でも改善しなかったのか

この方が通われていた整体院では、脊椎の矯正がメインの施術内容だったとのことでした。脊椎の矯正自体が誤りというわけではありませんが、この方の場合、痛みの背景には梨状筋という、脊椎とは別の部位の機能異常が関わっていました。

痛みが出ている場所、あるいは一般的に矯正の対象とされやすい部位だけを見ていると、本当の背景に気づけないことがあります。半年から1年半という長い期間、同じ施術を受け続けても変化が見られなかったのは、こうしたズレが背景にあったのではないかと考えられます。

もちろん、脊椎の矯正自体が不要というわけではありません。ただ、痛みの背景にある要因は一人ひとり異なるため、「この症状にはこの施術」という一律の対応だけでは、すべての方に合うとは限らないのです。当院では、その方の痛みの背景がどこにあるのかを検査で確認した上で、脊椎・骨盤・梨状筋を含めた深部の筋肉まで、必要な部位に応じてアプローチを組み合わせるようにしています。同じ「腰痛」という診断名であっても、実際に必要なアプローチは一人ひとり異なるという前提を持つことが、長期化した症状と向き合う上で欠かせないと当院では考えています。

深谷市で腰痛の施術を受ける際に当院が大切にしていること

当院では、腰痛を「腰椎だけの問題」として捉えず、梨状筋のような深部の筋肉、骨盤、股関節の動きまで含めて全身を検査することを大切にしています。当院の施術者は、柔道整復師として20年以上の臨床経験の中で、一般的な矯正だけでは変化が出にくいケースを数多く見てきました。

特に、長期間同じ施術を受け続けても変化が見られない場合は、施術の「回数」や「強さ」の問題ではなく、そもそも見立てそのものにズレがある可能性を考える必要があると当院では考えています。「もっと強く」「もっと頻繁に」という発想だけでは、根本にある問題が梨状筋のような別の部位にあった場合、いつまでも変化が見られないままになってしまいます。

施術では、状態に応じて「アクティベーター」というばね式の器具を使った矯正を行うことがあります。関節に素早く軽い刺激を加える方法で、音を立てず、身体への負担が少ないのが特徴です。強い力を加える矯正に不安がある方や、ご高齢の方にも対応しやすい方法と当院では考えています。また、状態によっては、内臓や筋膜への働きかけを含むオステオパシーのテクニックを組み合わせることもあります。腰痛の中には内臓の疲れや筋膜の緊張が関連していることもあるためです。

腰痛・お尻の痛みでやってはいけないこと

腰痛やお尻の痛みを感じたとき、良かれと思って行った対処が、実は改善を遠ざけてしまっていることがあります。

一つ目は、同じ施術を長期間続けても変化がないのに、そのまま同じ施術を継続し続けることです。今回ご紹介したケースのように、半年から1年半という期間、変化がなかったにもかかわらず同じ施術を続けていたケースもあります。一定期間受けても変化が見られない場合は、見立てそのものを見直す一つのきっかけにすることをおすすめします。「続けていればいつか変わるはず」という期待だけで通院を続けるのではなく、一定の期間で一度立ち止まって振り返ることも大切です。

二つ目は、お尻の痛みを「腰の痛みの延長」として片付けてしまうことです。今回のケースのように、お尻の痛みの背景には、腰椎とは別の部位(梨状筋など)の機能異常が関わっていることがあります。

三つ目は、立った状態での見た目や感覚だけで自分の身体の状態を判断することです。立位では身体が無意識にバランスを補正してしまうため、正確な状態が分かりにくいことがあります。

このほか、日常でよくある対処にも注意したい点があります。「安静にしていれば良くなる」という考え方は半分だけ正しく、急性期の数日間は安静が大切ですが、その後も動かさない時間が長く続くと、関節の動きがさらに硬くなり、慢性化につながりやすくなることがあります。マッサージで一時的に楽になってもすぐ戻るという場合は、筋肉の緊張の背景にある関節の機能障害が変わっていない可能性があります。また、痛み止めや湿布は炎症による痛みを抑えるために急性期には必要な場合もありますが、長期間お薬で痛みをコントロールされている場合は、施術との併用について医師にご相談いただくことをおすすめします。

当院では、症状だけでなく、その方の日常生活での姿勢や動作の癖まで確認しながら、施術の方向性を一緒に考えていくことを大切にしています。特に、デスクワークや車移動が中心の方は座っている時間が長くなりやすく、股関節周りの筋肉が使われにくくなることで、梨状筋のような深部の筋肉に機能異常が起きやすい傾向があると当院では考えています。

また、長時間の運転や座り仕事では、片側の脚を組んだり、片側に重心をかけたりする癖がつきやすいことも背景の一つです。左右非対称の姿勢の癖が積み重なることで、片側の梨状筋だけに負担が集中しやすくなると考えられます。今回ご紹介したケースでも、片方の足だけが大きく開くという左右差が確認されており、こうした生活習慣の積み重ねと無関係ではないと考えられます。ご自身の生活の中で、思い当たる癖がないか振り返ってみるのも良いかもしれません。

ご自宅でできるセルフケア

梨状筋の機能異常が疑われる場合、お尻の筋肉を強く伸ばしたり押したりするストレッチは、状態によっては負担を強めてしまうことがあります。まずは仰向けで両膝を立て、左右の足の開き具合に違いがないかをご自身で確認してみてください。

明らかな違いがある場合や、長期間の施術でも改善しない痛みがある場合は、セルフケアより先に検査を受けていただくことをおすすめします。また、長時間座る際は、片側に脚を組む・片側に重心をかけるといった癖がないか、時々ご自身の姿勢を振り返ってみるのも一つの方法です。

当院が毎回検査を行う理由

「前回も検査したのに、今回も同じことをするんですか」と当院に来院された方から聞かれることがあります。これには理由があります。同じ「腰痛」「お尻の痛み」という症状でも、その日の身体の状態や、整える必要がある場所は人によって、またその日によって変わることがあるためです。

当院で行う検査には、各関節の可動域テスト、神経反射テスト、脚部・体幹の筋力テスト、骨盤・腰椎・胸椎の評価、腸腰筋など深部の筋肉の張力評価などがあります。腰が痛いからといって腰だけを検査するのではなく、骨盤・胸椎・頸椎まで全体を評価したうえで、その日に必要なアプローチを見極めています。

決まったメニューを毎回同じように繰り返すのではなく、来院されたその日の状態を確認し、今その方に必要な施術を見極める。これが当院が大切にしている考え方です。今回ご紹介した梨状筋のケースも、こうした丁寧な検査の積み重ねの中で見えてきたものでした。

よくある質問(深谷市の方からよくいただくご質問)

Q. 梨状筋の機能異常はどうやって分かりますか?
A. 仰向けで「お尻を5秒間上げて下ろす」動作の後、両足の開き具合を確認することで、一つの目安になります。詳しい検査は来院時に行います。

Q. 他院で長く通っても改善しなかった腰痛でも相談できますか?
A. はい、ご相談いただけます。長期間改善しなかった背景に、見立てのズレがあるケースもあります。

Q. お尻の痛みは何科を受診すればいいですか?
A. 強いしびれや力が入らないなどの症状がある場合は、まず整形外科で検査を受けることをおすすめします。レントゲンやMRIで大きな異常が見られない場合、筋肉や関節の機能的な問題が関係していることもあるため、その際は当院のような接骨院にもご相談いただければと思います。

Q. どのくらいの施術回数で改善しますか?
A. 症状の程度や経過期間によって異なります。今回ご紹介したケースも一つの例であり、すべての方に同じ経過をお約束するものではありません。

Q. 保険は使えますか?
A. ぎっくり腰などの急性の外傷は健康保険の適用になる場合があります。慢性的な腰痛や、身体のバランスを整えることを目的とした施術は自費でのご案内となります。詳しくは来院時にご確認ください。

Q. お尻の痛みも腰痛と一緒に相談できますか?
A. はい、お尻の痛みは腰痛と関連していることが多いため、合わせて検査させていただきます。

Q. 坐骨神経痛との違いはありますか?
A. 梨状筋は坐骨神経の近くを通っているため、状態が悪化すると坐骨神経痛のような症状につながることもあります。しびれの有無なども含めて丁寧に検査で確認していきます。

Q. マッサージだけでは改善しませんか?
A. 痛みのある部位のマッサージだけでは、梨状筋の機能異常のような背景まで整えられない場合があります。

Q. 施術は痛いですか?
A. 強い力を加える施術ではなく、身体の状態をしっかりと確認しながら、負担の少ない方法でゆっくりと進めていきます。

Q. 車での移動が多い仕事でも腰痛は改善しますか?
A. 経過には個人差がありますが、座り方や姿勢の癖を確認しながら、身体への負担を分散させる施術とセルフケアを組み合わせてご案内します。仕事の環境をすぐに変えられない場合でも、できる範囲での工夫をお伝えします。

Q. 梨状筋の検査にはどのくらい時間がかかりますか?
A. 通常の施術よりお時間をいただくことがありますが、大きな負担のかかる検査ではありません。詳しくは来院時にご案内します。

Q. 通院の間隔はどのくらいが目安ですか?
A. 症状の程度によって異なります。改善が見られた後は、間隔を空けたメンテナンスに移行するケースもあります。まずは来院時に状態を確認した上で、無理のないペースをご案内します。

Q. 深谷市の他の整体院に通っているが、乗り換えても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。まずは検査で今の身体の状態を確認させていただき、その上で施術方針をご説明します。これまで受けていた施術の内容も参考にお伺いすることがあります。

腰痛やお尻の痛みは、痛みのある場所だけを見ていると、本当の背景に気づきにくいことがあります。長期間改善しなかった経験がある方も、諦めずに一度、身体全体の状態を確認してみてください。同じ施術を長く受け続けても変化がなかったという経験は、決して珍しいことではありません。その経験自体が、背景にあるものを見つける大切な手がかりになることもあります。当院は、その手がかりを一緒に探していくお手伝いができればと思っています。深谷市で長年腰痛やお尻の痛みに悩まれている方は、これまでの経過も含めて、まずはお気軽にご相談ください。

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著者:田島 陽平(たじま ようへい)
治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。


参考文献

・梨状筋症候群に関する総説/坐骨神経と梨状筋の解剖学的な関係が報告されています
梨状筋症候群の総説(PubMed Central)を読む

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。