O脚が気になって、歩き方を直したい。検索すると「正しい歩き方でO脚を治す」という記事がたくさん出てきます。
深谷市の当院は、最初に正直にお伝えします。歩き方を変えればO脚の見た目がまっすぐになる、とは言いません。
そのかわり、歩き方で変えられる余地のあるものがあります。膝の内側にかかる負担です。この記事では、O脚の方に多い歩き方の特徴、その歩き方が膝に負担を集める仕組み、そして負担を減らす歩き方の直し方を、順番にお話しします。
■ 先にお伝えします——歩き方でO脚の見た目が治るとは言いません
O脚には、骨の形そのものによるもの(構造的なもの)と、筋肉の使い方や姿勢のくせで膝が開いて見えるもの(機能的なもの)があります。
骨の形は、歩き方の練習で変わりません。当院には、O脚の見た目を直したいと来られた方に、体を確認したうえで「変わらないかもしれない。無理な矯正はやめた方がいい」と、はっきりお伝えした実例があります。見た目のために機能を犠牲にする施術を、当院はおすすめしていません。
では歩き方の話に意味がないかというと、逆です。O脚の脚では、体重が膝の内側に偏ってかかりやすく、この偏りは将来の膝の健康との関わりが指摘されています。そして体重のかかり方には、歩き方で変えられる余地がある——ここが、この記事の本題です。
見た目のためではなく、10年後も痛みなく歩ける膝のために、歩き方を見直す。その順番でお読みください。
■ O脚の方に多い歩き方の特徴——3つのサイン
当院が歩き方を拝見するとき、O脚の方によく見られるサインが3つあります。
1つ目は、つま先と膝の向きが合っていないこと。つま先は外を向いているのに、膝のお皿は内を向いている——脚のねじれを抱えたまま歩いているパターンです。
2つ目は、体が左右に揺れる歩き方。一歩ごとに上体が外側へ揺れ、体重が足の外側の縁に乗ります。靴の外側ばかり減る方は、これが起きている可能性があります。
3つ目は、歩幅が広めで、着地がドスンと重いこと。大きな一歩は着地の衝撃が強く、膝が伸び切ったまま外側へ突っ張る形になりやすくなります。
どれも本人には自然な歩き方なので、自覚しにくいのが特徴です。スマートフォンで後ろから歩く姿を撮ってもらうと、一目で分かることが多いです。
■ その歩き方が膝の内側に負担を集める仕組み
O脚では、体重の通り道が膝の中心より内側を通りやすくなります。てこの原理で、膝の内側の軟骨に体重が集中しやすい形です。
そこに、先ほどの3つのサインが重なるとどうなるか。外側の縁に体重が乗る歩き方は、膝を外へ開く力をさらに強めます。重い着地は、その負担を一歩ごとに強く打ち込みます。
いま痛みがなくても、この負担のかかり方が10年単位で積み重なっていくことが、O脚で本当に気にすべきことだと当院は考えています。
見た目は美容の問題ですが、負担のかかり方は健康の問題です。
■ 歩き方の工夫で変えられるもの——研究で分かっていること
「歩き方を少し変えることで、膝の内側にかかる負荷の指標が変わる」——これは、膝の内側に痛みのある方を対象とした複数の研究をまとめた報告で示されています。つま先の向き、歩幅、体幹の使い方といった工夫で、膝の内側への負荷のかかり方が変化したと報告されています。
大事な注釈をつけます。これは「O脚が治る」という話ではなく、「膝の内側への負担を減らせる」という話です。また、どの工夫が合うかは人によって違い、合わない工夫はかえって別の場所に負担を移すことも報告されています。
だから当院は、歩き方の一律の「正解」を配りません。その方の脚のねじれ・筋力・関節の状態を確かめてから、合う工夫を選びます。
■ 今日からできる歩き方の直し方——順番が大事です
そのうえで、多くの方に共通して勧めやすい直し方を、取り組む順番でお伝えします。
最初の一歩は、歩幅を少し狭くすること。3つの中では比較的取り組みやすく、体感も得やすい工夫です。着地の衝撃が減り、膝が突っ張る形になりにくくなります。
次に、着地を静かにすること。「音を立てずに歩く」と意識するだけで、かかとからの衝撃がやわらぎます。
その次に、つま先と膝の向きをそろえること。つま先を無理にまっすぐへ矯正するのではなく、「つま先の向きと膝のお皿の向きが同じ方向を向く」ことを目安にします。ねじれたまま向きだけ変えると、膝や股関節に別の負担がかかるためです。
一度にやるのは、ひとつだけにしてください。歩き方は無意識の動作なので、意識することを増やしすぎると、かえってぎこちない歩きになります。1〜2週間でひとつ、が目安です。
■ 歩き方より先に確かめたいこと——立ち方と座り方
歩きは、立ち方の延長にあります。立った時点で体重が外側に乗っている方は、歩き方だけ直そうとしても戻ります。
鏡の前で、力を抜いて立ってみてください。足の裏の内側と外側、どちらに体重を感じるか。外側なら、まず立ち方からです。親指の付け根・小指の付け根・かかとの3点に均等に乗る感覚を、歯磨きの間だけでも練習してみてください。
座り方も関わります。当院でO脚のご相談を受けた方にも、坐骨で座り骨盤を立てる座り方から指導を始めた実例があります。脚を組む・横座り・足首を交差させて座るくせは、脚のねじれを日々つくる側の習慣です。
■ 靴の裏の減り方でわかること
ご自身の歩き方を知るいちばん手軽な資料は、いま履いている靴の裏です。
| 靴の裏の減り方 | 読み取れるサイン | 直す入口 |
| 外側の縁ばかり極端に減る | 体重が外側に乗る歩き方 | 立ち方の3点(親指の付け根・小指の付け根・かかと)から |
| 左右で減り方が大きく違う | 体の使い方に左右差がある | 片脚立ちの安定を左右で比べる |
| かかとの後ろ端だけ鋭く減る | 大股でかかとから強く着地 | 歩幅を少し狭く・着地を静かに |
| かかと中央〜全体がゆるやかに減る | おおむね自然な着地 | そのままでOK |
すり減った靴をそのまま履き続けると、靴の傾きが歩き方のくせをさらに強めます。片側だけ極端に減った靴は、直すか替えるかをおすすめします。
■ 実例:O脚のご相談で、歩き方と姿勢の側からお手伝いした話
当院の実例です。
デスクワークで長時間座る20代の方から、O脚のご相談を受けました。体を確認した結果、骨の形の要素が強く、見た目のための矯正は勧めない判断をした方です。
この記事の文脈でお伝えしたいのは、その後にやったことの方です。この方の体で変えられたのは、毎日の「体の使い方」の側でした。具体的には、椅子の上での骨盤の立て方——お尻の下の坐骨という骨で座り、腹筋で軽く支える座り方——から始めています。座り方が変わると立ち上がりの姿勢が変わり、立ち方が変わると歩き出しの一歩が変わる。歩き方は、その一番先にある出口です。
「歩き方だけ」を直そうとしてうまくいかないのは、その手前の座り方・立ち方が元のままだからです。順番として、体の土台から歩きへ、と進めるのが当院のやり方です。
■ 先に医療機関で確かめてほしいサイン
次の場合は、歩き方の工夫より先に整形外科での確認をおすすめします。
・膝の内側の痛みがすでに始まっている
・歩き始めや階段で膝に引っかかる感じ・腫れがある
・ここ数年で脚の開きが目に見えて進んだ
・左右の脚の形の差が大きい
・お子さんのO脚(成長段階の判断は専門領域です)
痛みが出てからの膝は、歩き方の自己流の工夫だけでは追いつかないことがあります。状態を確かめてから、合う対応を選んでください。
膝の症状については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
深谷市で変形性膝関節症にお悩みの方へ|深谷たいよう接骨院・整体院が伝える「膝だけを見ない」という視点
https://taiyo-fukaya.com/blog/knee-osteoarthritis/
足元からの見直しは、こちらでも書いています。
朝の一歩目に踵が痛む足底筋膜炎にお悩みの方へ|深谷市の接骨院が伝える「足裏だけを見ない」理由
https://taiyo-fukaya.com/blog/plantar-fasciitis/
■ よくある質問
Q. 歩き方を直せばO脚は治りますか。
A. 治るとは言えません。骨の形によるO脚は、歩き方の練習で見た目がまっすぐになるものではないためです。歩き方で変えられるのは、膝の内側への負担のかかり方です。当院はこの区別を最初にお伝えしています。
Q. 内股で歩けばO脚に見えなくなりますか。
A. おすすめしません。見え方のために脚のねじれを増やすと、膝や股関節に別の負担がかかります。つま先と膝の向きをそろえる方向で考えてください。
Q. O脚矯正のインソールは役に立ちますか。
A. 靴の中で足の傾きを補正する道具なので、体重の乗り方によっては助けになる場合があります。ただし、歩き方や立ち方が元のままだと効果は限定的で、合わないものは逆に足首や股関節へ負担を回すことがあります。道具は最後、体の使い方が先——この順番をおすすめします。
Q. 毎日どのくらい歩けばいいですか。
A. O脚だから歩くな、ということはありません。膝に痛みがない方は、歩幅を少し狭く・着地を静かに、の工夫と一緒に普段どおり歩いてください。痛みがある方は、先に状態の確認を。
Q. 子どものO脚も歩き方で直すべきですか。
A. お子さんには大人向けの歩き方指導をそのまま当てはめないでください。成長期の脚の形には年齢ごとの自然な変化があり、判断は専門領域です。気になる場合は、歩き方の練習より先に小児科・整形外科で診てもらうことをおすすめします。
Q. 靴はどんなものを選べばいいですか。
A. かかとの安定したもの、すり減っていないものが基本です。片側だけ極端に減った靴は歩き方のくせを強めるので、まず靴の裏を確認してみてください。
■ まとめ:歩き方は、膝を守る道具です
O脚の歩き方について、当院がお伝えしたいことは3つです。
歩き方でO脚の見た目が治るとは言わないこと。歩き方で膝の内側への負担は変えられる余地があること。そして、直すなら歩幅→着地→つま先と膝の向き、の順番でひとつずつ。
脚がまっすぐに見えるかどうかより、これから先もご自身の脚で好きな場所へ歩いていけるかどうか。当院が歩き方を見るのは、そのためです。ご自身の体重がどこに乗っているか知りたい方は、一度確かめにいらしてください。
▼この症状の専門ページ:変形性膝関節症について詳しくはこちら|深谷たいよう接骨院
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【著者情報】
田島 陽平(たじま ようへい)/治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
【参考文献】
Effects of neuromuscular gait modification strategies on indicators of knee joint load in people with medial knee osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9491578/
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。


