深谷市で、両膝の痛みが長年続いているという方からのご相談を、日頃からいただくことがあります。中には、レントゲン検査で変形性膝関節症と診断され、長期間にわたって整形外科での注射や投薬を続けてきたという方もいらっしゃいます。今回は、柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ当院が、実際の症例を交えながら変形性膝関節症への考え方をできるだけ詳しくお伝えします。
深谷市には、立ち仕事や家事、農作業などで膝に負担がかかりやすい生活を送っている方が多くいらっしゃいます。加齢とともに進行しやすいとされる変形性膝関節症ですが、痛みとの向き合い方には工夫の余地があると当院では考えています。
6年間、整形外科に通い続けた方のケース
以前、立ち仕事を続けている60代女性の方が、両膝の痛みでご来院されました。6年ほど前から整形外科に通院し、関節に水が溜まる状態(関節水腫)に対する処置を4回、関節への注射や投薬を受けながら、症状を抑えて「ごまかしごまかし」過ごしてきたとのことでした。しかし、仕事に支障が出るようになったことをきっかけに、当院にご相談いただきました。
6年間、痛みを抱えながら仕事を続けてきた中で、「この痛みとはもうずっと付き合っていくしかないのかもしれない」という不安や諦めに近い気持ちも少なからずあったのではないかと感じています。検査をすると、両膝に目視でわかる変形があるだけでなく、首・背中・腰の生理的なS字カーブにも崩れが見られました。頸椎の反りが強くなり、背中の丸みが増し、腰の反りもさらに強くなっている状態です。股関節と膝関節は軽く曲がった位置で固定され、足首は逆に反り返るような姿勢になっていました。
膝そのものではなく、仙骨・骨盤・胸椎から診る理由
「今回の施術のポイントは膝そのものではなく、仙骨、骨盤、および胸椎、ここが一番のメインです」
当院では、変形性膝関節症の施術において、痛みが出ている膝そのものだけを診るのではなく、身体全体のバランスから考えるようにしています。今回のケースでは、①仙骨・骨盤・胸椎の調整を中心に、②両膝の軸そのものへの調整、③距骨・距踵関節(足首の奥にある関節)へのオステオパシー的なアプローチ、という3つを組み合わせました。
「腰椎の過前弯がある時点で、腰椎椎間板ヘルニアがあるというのも納得できる状態です」
生理的なカーブが崩れると、そのしわ寄せが身体のどこかに集中しやすくなります。このケースでは腰椎椎間板ヘルニアやぎっくり腰の既往もありましたが、腰の反りの強さを見れば、それも自然な流れとして理解できる状態でした。膝の痛みという結果だけを見るのではなく、その手前にある全身のバランスの崩れまでさかのぼって考えることを、当院では大切にしています。
距骨という「ベアリング」への視点
「距骨はいわば下腿と足を繋ぐベアリングの役割を果たしているため、ここが硬くなると全体のバランスが取れなくなってしまう」
距骨・距踵関節への施術は、一般的な足首の関節調整とは少し異なる視点です。オステオパシーの考え方では、距骨は下腿と足をつなぐ「ベアリング」のような役割を果たしているとされ、ここの動きが硬くなると、その上にある膝・股関節・骨盤にまで影響が広がりやすいと考えられています。膝の痛みの相談でありながら、実際には足首の奥にある関節までさかのぼって確認するのは、このためです。
このケースでは、施術を重ねる中で痛みが大きく和らぎ、現在は大腿四頭筋トレーニングや腹筋運動など、身体づくりの部分にも並行して取り組んでいただいています。長年抱えてきた痛みが軽くなったことで、日常の家事や仕事の動作も、以前より楽に行えるようになったとのお話もいただいています。
歪みを整えることと、負荷に勝つことは別の話
「現在は痛みは取れていますが、歪みを整えたからといって、あらゆる負荷に必ず勝てるわけではありません。無理をすればどうしても痛みは出てしまいます」
当院では、施術によって歪みや動きの悪さを整えることと、身体が受けるすべての負荷に勝てるようになることは、別の話だと考えています。「それ以上に強い刺激が入り続ければ痛みが出るというのは、どなたにも共通して言えることだと思います」という言葉の通り、施術で状態を整えた後も、日常生活での負担のかけ方によっては再び痛みが出ることがあります。だからこそ、施術と並行して筋力トレーニングに取り組み、負担を分散できる身体づくりを進めていくことが大切だと考えています。
筋力トレーニングが果たす役割について
変形性膝関節症に対しては、手技による施術だけでなく、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を中心とした運動療法を組み合わせることが有効とされています。膝関節を支える筋力が保たれていることで、関節にかかる負担が分散されやすくなると考えられているためです。当院では、手技による機能面へのアプローチと、ご自身での筋力トレーニングの両方を組み合わせることを、変形性膝関節症と向き合ううえで大切な考え方としてお伝えしています。
また、膝そのものだけでなく、足首や股関節など離れた関節の動きを整えることも、膝への負担のかかり方に関わっている可能性があるとされています。当院が距骨・距踵関節までアプローチする背景には、こうした考え方があります。
変形性膝関節症と、そのほかの膝の痛みの違い
膝の痛みには、変形性膝関節症のように構造的な変化が背景にあるものと、使いすぎや一時的な炎症による痛みなど、性質の異なるものがあります。ご自身の状態を知る一つの参考として、特徴を以下にまとめました。
| タイプ | 背景 | 痛みの出方 | アプローチ |
|---|---|---|---|
| 変形性膝関節症由来 | 関節の変形・関節水腫など画像検査で分かる変化がある | 徐々に進行し、両膝に及ぶこともある | 構造そのものは変えられないが、全身のバランス調整と筋力トレーニングの組み合わせで負担の軽減を目指す |
| 使いすぎ・一時的な炎症由来 | 特定の動作・運動量の急な増加による負担 | 動作後や特定の時期に強まりやすい | 負担の見直しと安静、関節の動きの調整で改善が期待できる |
上記はあくまで一般的な傾向であり、実際には両方の要因が重なっていることも少なくありません。レントゲン検査で変形性膝関節症と診断された場合でも、全身のバランス調整によって変化が見られることがあるため、自己判断で諦めずに、まずは検査を受けることをおすすめします。
変形性膝関節症でやってはいけないこと
膝の痛みを感じたとき、良かれと思って行った対処が、実は負担を強めてしまっていることがあります。
一つ目は、「年齢のせいだから仕方がない」と諦めて、膝周りの筋力トレーニングも含めて何もしないことです。構造そのものは変えられなくても、周辺の筋力や全身のバランスへのアプローチで、負担の軽減を目指せる場合があります。
二つ目は、痛みを我慢しながら正座や深いしゃがみ込みを繰り返すことです。膝への負担が大きい動作は、できるだけ避けるか、頻度を見直すことをおすすめします。
三つ目は、痛みのある膝だけをマッサージし続けることです。膝そのものへのケアも大切ですが、股関節・足首・骨盤など、離れた部位の動きの悪さが膝への負担につながっているケースも少なくありません。
深谷市で変形性膝関節症の施術を受ける際に当院が大切にしていること
当院では、変形性膝関節症を「加齢だから仕方がない」と片付けるのではなく、膝という一点だけでなく、仙骨・骨盤・胸椎・足首まで含めた全身のつながりの中で、今できることを一緒に考えていくことを大切にしています。柔道整復師として20年以上の臨床経験の中で、膝以外の部位へのアプローチによって変化が見られるケースを見てきました。
ただし、すべての変形性膝関節症が同じように改善するとは限りません。すでに進行した構造的な変化そのものを元に戻すことは難しいため、当院では検査を通じてその方の状態を確認した上で、現実的にできることを正直にお伝えするようにしています。痛みを取り除くことだけでなく、その後の状態をどう維持していくかという、継続的な向き合い方も含めてご案内しています。
ご自宅でできるセルフケア
膝に大きな負担をかけずに行える運動として、椅子に座った状態で片足をゆっくり伸ばし、5秒ほどキープしてから下ろす、という大腿四頭筋の運動があります。痛みが強く出ない範囲で、無理なく続けることをおすすめします。
正座や深いしゃがみ込みが辛い場合は、無理に行わず、椅子を使った生活動作に切り替えることも一つの工夫です。階段の上り下りでは手すりを使い、膝への衝撃をできるだけ減らすことも負担軽減につながります。
立ち仕事の方は、長時間同じ姿勢で立ち続けるのではなく、こまめに体重のかけ方を変えたり、足首を軽く動かしたりすることも、膝への負担を分散する一つの方法になります。
よくある質問(深谷市の方からよくいただくご質問)
Q. 変形性膝関節症と診断されましたが、施術を受けても大丈夫ですか?
A. はい、ご相談いただけます。膝そのものへの直接的なアプローチだけでなく、全身のバランスから負担の軽減を目指す施術を行います。
Q. 長年整形外科に通っていますが、並行して施術を受けても問題ないですか?
A. 多くの方が医療機関への通院と当院への通院を並行されています。気になる場合は、医療機関にもご相談の上でご来院ください。
Q. どのくらいの施術回数で変化が見られますか?
A. 症状の程度によって異なります。今回ご紹介したケースでは施術を重ねる中で痛みが大きく和らぎましたが、これは一つの例であり、すべての方に同じ経過をお約束するものではありません。
Q. 手術を勧められていますが、施術で回避できますか?
A. 手術が必要かどうかの判断は医療機関にお任せしています。当院では、その方の状態を確認した上で、現実的にできる範囲のことを正直にお伝えします。
Q. 膝ではなく足首や腰を診られるのはなぜですか?
A. 膝の痛みの背景に、股関節・足首・骨盤など離れた部位の動きの悪さが関わっていることがあるためです。全身のつながりの中で状態を確認しています。
Q. 筋力トレーニングはどのくらいの強度で行えばいいですか?
A. 痛みが強く出ない範囲で、無理のない強度から始めることをおすすめします。具体的な内容は来院時の状態に応じてご案内します。
Q. 関節に水が溜まりやすいのですが、施術で改善しますか?
A. 関節水腫そのものへの医療的な処置は医療機関の領域になりますが、負担のかかり方を整えることで、状態の維持を目指すお手伝いはできると考えています。
Q. 両膝とも痛む場合も相談できますか?
A. はい、ご相談いただけます。今回ご紹介したケースも両膝の痛みでのご来院でした。
Q. 立ち仕事を続けながら施術は受けられますか?
A. 多くの方が施術と仕事を両立されています。負担のかかる動作の工夫も含めてご相談ください。
Q. 施術は痛いですか?
A. 強い力を加える施術ではなく、身体の状態をしっかりと確認しながら、負担の少ない方法で進めていきます。
長年、膝の痛みと付き合いながら「年齢のせいだから仕方がない」と感じてきた方も少なくないのではないかと思います。しかし、膝という一点だけでなく、身体全体のつながりの中で見ていくことで、できることが見えてくる場合があります。諦めていた毎日の動作が少しずつ楽になっていく感覚を、一人でも多くの方に取り戻していただけたらと当院では考えています。まずは今の身体の状態を、一度確認してみてください。
▼この症状の専門ページ:変形性膝関節症について詳しくはこちら|深谷たいよう接骨院
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著者:田島 陽平(たじま ようへい)
治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
参考文献
・日本整形外科学会「変形性膝関節症」/女性に多く、動作の開始時の痛みから始まる経過などが解説されています
日本整形外科学会の解説ページを読む
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。


