深谷市で、頸椎ヘルニアと診断され、長期間にわたって施術を受けてきたにもかかわらず、頸部の痛みや上肢のしびれが続いている方からのご相談を、当院ではいただくことがあります。特に、海外在住や遠方に住んでいて日本国内での通院機会が限られる方が、帰国のタイミングで駆け込むように相談にいらっしゃるケースもあります。今回は、当院が大切にしている「一律の矯正ではなく検査に基づいた個別の施術」という考え方を、実際の症例を交えてお伝えします。

頸椎ヘルニアとはどのような状態か

頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨(頸椎)の間にあるクッションの役割を持つ椎間板が変性し、神経を圧迫することで、頸部の痛みや上肢のしびれ、場合によっては手の細かな動作のしにくさなどを引き起こす状態です。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、姿勢の崩れなどが背景にあることも多いとされています。

症状の程度によって対応は異なりますが、多くの場合は保存療法(手術以外の方法)で経過を見ていくことになります。当院にご相談いただく方の中には、他院で長期間施術を受けても症状が変わらなかったという方も少なくありません。

頸椎ヘルニアという診断がついた場合、まず気になるのは「手術が必要かどうか」という点だと思います。強い麻痺症状や排尿・排便に関わる症状が見られる場合は、医療機関での早急な対応が必要になることがあります。そうした緊急性の高い症状がない場合は、保存療法での経過観察が選択肢になることが多く、その中で当院のような施術も一つの選択肢として検討されることがあります。

「背骨をすべて一律に矯正する」施術のリスクについて

当院がご相談を受ける中で気になるのが、「背骨の硬い部位をすべて矯正する」という一律的な施術を長期間受け続けているケースです。背骨には本来、頸椎は前弯(前方へのカーブ)、胸椎は後弯、腰椎は前弯という生理的な湾曲があります。この湾曲は、身体への負担を分散させる重要な役割を持っています。

決まった部位を毎回同じように矯正し続けると、本来あるべき生理的な湾曲が失われ、脊柱全体がほぼ直線状になってしまうことがあります。湾曲が失われた状態は、衝撃や負担を吸収する機能が低下している状態とも言えるため、かえって頸部への負担が増してしまう可能性があると当院では考えています。

当院が大切にしている「検査に基づいた個別の施術」という考え方

当院では、決まった部位を毎回同じように施術するのではなく、来院ごとに検査を行い、その時々で変位している部位・負担が集中している部位を特定した上で施術を行うようにしています。頸椎ヘルニアの場合、頸椎そのものだけでなく、骨盤や胸椎の状態、さらには筋膜(ファシア)の緊張・癒着の有無まで含めて確認することを大切にしています。

これは、痛みが出ている部位と、本当に整えるべき部位が必ずしも一致しないという考え方に基づいています。膝や足の状態が、重心の位置を通じて頸部への負担に影響することもあり、身体全体のつながりの中で原因を探っていく視点を重視しています。

また、脊柱には本来、頸椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯という生理的な湾曲があり、この湾曲が衝撃を分散させる役割を担っています。決まった部位だけを繰り返し矯正すると、この湾曲そのものが失われてしまうことがあり、かえって特定の部位への負担が増してしまう可能性があると当院では考えています。だからこそ、毎回の検査で「今、どこに負担が集中しているか」を確認しながら施術を進めることを大切にしています。

症例紹介:海外で1年間の一律矯正でも改善しなかったケース

当院に来院された30代男性の方(自営業・海外在住)は、頸部痛(1年前から継続)と上肢のしびれを主訴に来院されました。海外在住中、現地の日本人整体師のもとで週1回・計1年間にわたり「背骨の硬い部位をすべて矯正する」という施術を継続して受けていましたが、症状は一向に改善しなかったそうです。帰国のタイミングで、友人の紹介により当院にいらっしゃいました。

当院で検査したところ、神経根の圧迫テストが陽性で、上肢の神経症状に器質的な関与があることが確認されました。さらに、本来カーブを持つはずの頸椎前弯・胸椎後弯・腰椎前弯という生理的な湾曲が著明に減少し、ほぼ直線状になっていることが分かりました。これは、長期間の一律的な矯正によって、本来の湾曲が失われてしまった可能性が考えられる所見でした。また、既往にあった両膝の半月板損傷により、歩行時に膝が軽度屈曲した状態が習慣化し、重心が前方に偏ることで、頸部への後方からのストレスが増していたことも確認されました。

そこで、まず骨盤・胸椎を中心に、その時々で後方変位を呈している椎骨を検査で特定しながら施術を行い、脊柱の生理的な湾曲を段階的に回復させることを目標に進めました。骨盤・胸椎への施術を重ねる中で脊柱の湾曲が徐々に回復する傾向が見られたため、経過を見ながら頸椎への施術も加えていきました。合わせて筋膜(ファシア)の緊張・癒着へのアプローチも行いました。帰国直前の来院の時点では、頸部痛・上肢のしびれに変化が見られ、現在も帰国のたびに来院を継続されています。

頸椎ヘルニアのセルフケアで気をつけたいこと

頸椎に負担をかけないためには、スマートフォンやパソコンを見る際に、うつむき姿勢が長時間続かないよう意識することが大切です。画面の高さを目線に近づける工夫や、1時間に1回程度は首を軽く後ろに反らせるような動きを取り入れることをお勧めしています。

痛みやしびれが強い時期は、自己判断で首を強くひねる・引っ張るようなストレッチは避けてください。かえって症状を強めてしまう可能性があります。痛みが落ち着いている時期であれば、ゆっくりと首を左右に傾ける軽い運動から始めることをお勧めしています。

また、鞄を持つ際にいつも同じ側の肩にかける癖がある方は、肩の高さに左右差が生じ、頸椎への負担にも影響することがあります。時々左右を変えて持つように意識してみてください。重い荷物を持つ際は、両手に分けて持つことで、片側への負担集中を避けやすくなりますので、日々の生活の中でぜひ意識して取り入れてみてくださいね。

また、枕の高さが合っていないと、寝ている間に頸椎へ負担がかかり続けることがあります。仰向けで寝た際に、頸椎の生理的な前弯が保たれる高さの枕を選ぶことも、セルフケアの一つとして大切です。

デスクワークが多い方は、椅子の高さやパソコン画面の位置を見直すことも効果的です。画面が目線より低い位置にあると、自然とうつむき姿勢になりやすくなります。モニターの高さを目線に近づけるだけでも、頸椎への負担を減らす工夫になります。長時間の運転が多い方も、ヘッドレストの位置を調整し、頭が前に出すぎない姿勢を意識してみてください。

深谷市で頸椎ヘルニアの施術を受ける際に当院が大切にしていること

当院では、頸椎ヘルニアという診断名だけで施術内容を決めつけるのではなく、その方の生活習慣・既往歴・重心のバランスまで含めて検査し、個別に施術内容を組み立てることを大切にしています。柔道整復師として20年以上、カイロプラクティック・オステオパシーを組み合わせた施術に携わってきた中で、「決まったメニューを毎回繰り返す」施術と「検査に基づいて毎回内容を変える」施術の違いが、経過に大きく影響する場面を数多く経験してきました。

長期間他院に通っても症状が変わらなかったという方にとって、当院がその状況を見直す一つのきっかけになれればと考えています。特に、力作業や長時間のデスクワークで首・肩に負担がかかりやすい仕事をされている方は、日常生活の負担が積み重なりやすいため、症状の背景にある生活習慣まで含めてお話を伺うようにしています。

深谷市には車で通院しやすい環境もあり、他院からの転院・セカンドオピニオン的なご相談も承っています。これまでの施術内容や検査結果があれば、参考にさせていただきながら今後の方針をご一緒に考えていきます。駐車場もございますので、お仕事帰りや休日にもご来院いただきやすい環境を整えています。

よくある質問

頸椎ヘルニアは手術しないと良くなりませんか。

症状の程度によって異なります。多くの場合は保存療法で経過を見ていくことになりますが、症状が重い場合は医療機関での検査・判断が必要です。まずは現在の状態をご相談ください。

他院で長期間施術を受けても変化がなかったのですが、当院でも同じ結果になりませんか。

すべての方に同じ効果があるとは限りませんが、当院では決まった部位を一律に施術するのではなく、来院ごとの検査で変位している部位を特定した個別のアプローチを行っています。これまでの施術内容と異なる視点を持てる可能性があります。

頸椎ヘルニアの施術で気をつけていることはありますか。

頸椎ヘルニアがある場合、頸椎への強い捻り操作は避けるべきだと当院では考えています。頸椎以外の部位(骨盤・胸椎など)から間接的にアプローチすることを重視しています。

しびれが強いのですが、施術を受けても大丈夫ですか。

しびれの程度や原因によって対応が異なります。強いしびれがある場合は、まず医療機関での検査をお勧めすることもあります。当院での施術が適切かどうかも含めて、まずはご相談ください。

改善までどれくらいかかりますか。

症状の程度や期間によって個人差が大きく、一概にはお伝えできません。経過を見ながら施術内容を調整し、変化を確認しています。

長時間のデスクワークが原因になることもありますか。

長時間のデスクワークによるうつむき姿勢の蓄積は、頸椎への負担を増やす一因になり得ると考えています。姿勢や作業環境の見直しも、セルフケアの一環としてお伝えしています。

以前レントゲンで頸椎の湾曲がないと言われました。それだけで心配すべきですか。

画像所見と実際の症状の程度は必ずしも一致しないこともあります。湾曲の状態だけで過度に不安になる必要はありませんが、気になる症状がある場合は当院での検査もご検討ください。

施術は痛みを伴いますか。

当院で使用しているアクティベーターという矯正器具は、一定の力で関節に短い刺激を与える方法で、音を立てて関節を鳴らすような施術とは異なります。力の強さを調整できるため、症状に応じて負担の少ない施術を行っています。

会社の健康診断で首の状態を指摘されました。すぐに施術を受けるべきですか。

症状がなくても不安な場合は、一度検査を受けて現在の状態を確認することをお勧めしています。早い段階で身体の状態を知っておくことは、今後の予防にもつながります。

他院での検査結果やMRI画像を持参してもいいですか。

もちろんお持ちいただいて構いません。これまでの検査結果を参考にさせていただくことで、より的確に現在の状態を把握しやすくなりますので、ぜひ一度ご持参いただければと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございます。長期間施術を受けても変化がないと、この先も良くならないのではと不安になってしまうと思います。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

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著者:田島 陽平(たじま ようへい)
治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。


参考文献

・日本整形外科学会「頚椎椎間板ヘルニア」/症状・原因と病態・予防と治療について公式の解説パンフレットが公開されています
日本整形外科学会の解説ページを読む

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。