深谷市で、股関節の痛みがなかなか改善しないという方からのご相談を、日頃からいただくことがあります。中には、レントゲン検査で構造的な要因が見つかり、投薬やマッサージを受けても改善しなかったという方もいらっしゃいます。今回は、柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ当院が、実際の症例を交えながら股関節痛への考え方をできるだけ詳しくお伝えします。
深谷市には、介護職や立ち仕事、家事や育児で股関節に負担がかかりやすい方など、さまざまな生活背景を持つ方がいらっしゃいます。股関節痛は年代を問わず起こりうる症状ですが、その背景にある要因は人によって異なります。
構造的な要因がある股関節痛が、早い段階で変化したケース
以前、介護職の50代女性の方が、股関節の痛みでご来院されました。半年前から右側に痛みが出始め、その後左側にも痛みが広がったとのことでした。他院でのレントゲン検査により、変形性股関節症と臼蓋形成不全(股関節の受け皿の形成が不十分な状態)がもともとあり、それが原因で徐々に痛みが引かなくなっていたと説明を受けていました。投薬治療やマッサージ系の施術を受けていましたが、改善しなかったとのことでした。
臼蓋形成不全・変形性股関節症そのものを元の状態に戻すことは、構造的な特徴であるため難しいと当院でも考えています。ただ、当院ではこうした構造的な要因がある場合でも、「機能的な問題を取り除くこと」を目的に施術を行うことで、症状の緩和を目指せるケースがあると考えています。構造そのものにアプローチできないからといって、何もできないというわけではないということです。
構造の問題と機能の問題を分けて考える
股関節に構造的な特徴(臼蓋形成不全など)があるからといって、痛みのすべてがその構造だけで説明できるわけではありません。当院では、構造的な要因と、身体の使い方による機能的な要因を分けて考えるようにしています。
このケースでは、施術として二つのアプローチを組み合わせました。一つ目は、土台となる骨盤周り(仙骨・腸骨など)や背骨の調整です。二つ目は、股関節そのものへの直接的なアプローチとして、動きが悪くなっていた靭帯に組織テクニックを用いて可動性を出すことです。構造そのものは変えられなくても、その周辺の機能的な動きの悪さを取り除くことで、負担のかかり方が変わることがあります。
このケースでは、施術を始めて早い段階で痛みがかなり改善したとの報告がありました。構造的な要因が背景にある場合でも、機能的な問題へのアプローチによって変化が見られることがあるという一つの例だと考えています。
なぜマッサージだけでは改善しなかったのか
このケースの方は、当院に来院する前にマッサージ系の施術を受けていましたが、改善しなかったとのことでした。股関節周辺の筋肉や靭帯をマッサージで緩めるだけでは、動きが悪くなっている関節そのものの可動性までは変わらないことがあります。
当院では、痛みのある部位を緩めることと、動きの悪い関節の可動性を出すことは、異なるアプローチだと考えています。特に、構造的な要因が背景にある股関節痛の場合、この違いが症状の改善に大きく影響することがあります。
このケースでは、以前別のスタッフが担当していた時期もありましたが、知人が当院で改善した話を聞いたことをきっかけに、改めてご相談をいただきました。長く同じ症状に向き合ってきた方だからこそ、これまでとは違うアプローチを試してみたいという思いがあったのではないかと感じています。半年間改善しなかった症状が、担当者を変えたことで違った視点からのアプローチにつながったという点も、今回のケースの一つの特徴だと考えています。
股関節痛の見分け方:構造由来と機能由来の違い
股関節痛には、構造的な要因が背景にあるものと、姿勢や身体の使い方による機能的な要因が中心のものがあります。ご自身の状態を知る一つの参考として、特徴を以下にまとめました。
| タイプ | 背景 | 痛みの出方 | アプローチ |
|---|---|---|---|
| 構造由来型 | 臼蓋形成不全・変形性股関節症など画像検査で分かる特徴がある | 徐々に悪化し、両側に広がることもある | 構造そのものは変えられないが、機能的な問題を取り除くことで緩和を目指す |
| 機能由来型 | 姿勢の癖・身体の使い方による負担の集中 | 特定の動作や姿勢で強まりやすい | 姿勢・関節の動きを整えることで改善が期待できる |
上記はあくまで一般的な傾向であり、実際には両方が重なっていることも少なくありません。レントゲン検査で構造的な要因が指摘された場合でも、機能的なアプローチで変化が見られることがあるため、自己判断で諦めずに一度検査を受けることをおすすめします。
年代別に見ると、若い方の股関節痛はスポーツや姿勢の癖による機能的な要因が中心になりやすい一方、年齢を重ねるにつれて構造的な要因が関わるケースも増えてくる傾向があります。ただし、これも一般的な傾向であり、年代だけで判断できるものではありません。実際には、若い方でも構造的な特徴が背景にあるケースもあり、年齢だけで見立てを決めつけないことが大切だと当院では考えています。
股関節痛でやってはいけないこと
股関節痛を感じたとき、良かれと思って行った対処が、実は負担を強めてしまっていることがあります。
一つ目は、構造的な要因を指摘されたからといって、「治らないもの」と諦めて何もしないことです。構造そのものは変えられなくても、機能的な問題へのアプローチで緩和を目指せる場合があります。
二つ目は、痛みのある部位を自己判断で強くマッサージし続けることです。関節の可動性が悪くなっている場合、表面の筋肉を緩めるだけでは、根本にある動きの悪さまでは変わらないことがあります。
三つ目は、痛みを我慢しながら、股関節に負担のかかる同じ動作を繰り返し続けることです。介護職や立ち仕事など、股関節に負担がかかりやすい仕事の場合は、動作の工夫も含めて見直すことをおすすめします。
深谷市で股関節痛の施術を受ける際に当院が大切にしていること
当院では、股関節痛を「構造の問題だから仕方がない」と片付けるのではなく、構造的な要因と機能的な要因を分けて考え、機能的な問題を取り除くことで何ができるかを一緒に考えていくことを大切にしています。柔道整復師として20年以上の臨床経験の中で、構造的な要因があっても機能面へのアプローチで変化が見られるケースを見てきました。
構造的な要因を指摘されると、「もう何をしても変わらない」と感じてしまう方も少なくありません。しかし、構造そのものと、それを取り巻く筋肉・靭帯・関節の動きは、別のものとして考えることができます。当院では、この視点を丁寧にお伝えすることも、施術と同じくらい大切にしています。長い期間、同じ痛みと付き合ってきた方にとって、「まだできることがある」と知っていただくこと自体が、大きな意味を持つのではないかと考えています。
もちろん、すべての股関節痛が同じように改善するとは限りません。当院では、検査を通じてその方の状態を確認した上で、現実的にできることを正直にお伝えするようにしています。
ご自宅でできるセルフケア
股関節周りの筋肉が硬く感じる場合は、仰向けで膝を軽く抱えるストレッチや、股関節を無理のない範囲でゆっくり回す運動がおすすめです。強い痛みがある場合は、無理に動かさず、まずは検査を受けていただくことをおすすめします。
椅子に座る際は、深く腰かけて骨盤を立てるようにし、片側だけに体重をかけて座る癖がないか確認してみてください。日常生活の中の小さな癖の積み重ねが、股関節への負担につながっていることもあります。立ち仕事の方は、片足だけに重心をかけて立ち続けていないか、時々ご自身の姿勢を振り返ってみるのも良いかもしれません。
介護職や立ち仕事の方は、同じ姿勢を長時間取り続けないよう、できる範囲でこまめに姿勢を変えることも一つの工夫になります。特に、片側の脚に重心をかけ続ける癖がある方は、意識的に両足に体重を分散させることも、負担を減らす一つの方法になります。長時間の中腰姿勢が多い方は、膝を使って身体を支えることで、股関節への負担を減らせることがあります。
よくある質問(深谷市の方からよくいただくご質問)
Q. 変形性股関節症と診断されましたが、施術を受けても大丈夫ですか?
A. はい、ご相談いただけます。構造そのものへのアプローチではなく、機能的な問題を取り除くことを目的に施術を行います。
Q. どのくらいの施術回数で改善しますか?
A. 症状の程度によって異なります。今回ご紹介したケースでは施術を始めて早い段階で変化が見られましたが、これは一つの例であり、すべての方に同じ経過をお約束するものではありません。
Q. 手術を勧められていますが、施術で回避できますか?
A. 手術が必要かどうかの判断は医療機関にお任せしています。当院では、その方の状態を確認した上で、現実的にできる範囲のことを正直にお伝えします。
Q. マッサージだけでは改善しませんか?
A. 表面の筋肉を緩めるだけでは、関節の可動性そのものまでは変わらない場合があります。
Q. 介護職でも施術を続けながら仕事はできますか?
A. 多くの方が施術と仕事を両立されています。負担のかかる動作の工夫も含めてご相談ください。
Q. 施術は痛いですか?
A. 強い力を加える施術ではなく、身体の状態をしっかりと確認しながら、負担の少ない方法で進めていきます。
Q. 股関節痛の検査ではどんなことを確認しますか?
A. 骨盤・仙骨・腸骨の状態、股関節の可動性、姿勢の癖などを一つずつ確認し、構造的な要因と機能的な要因のどちらが強く関わっているのかを見極めていきます。
Q. 両側の股関節が痛む場合も相談できますか?
A. はい、ご相談いただけます。今回ご紹介したケースも、最初は右側から始まり、その後左側にも広がったという経過でした。
Q. 通院の間隔はどのくらいが目安ですか?
A. 症状の程度によって異なります。改善が見られた後は、間隔を空けたメンテナンスに移行するケースもあります。まずは来院時に状態を確認した上でご案内します。
Q. 他院で改善しなかった股関節痛でも相談できますか?
A. はい、ご相談いただけます。これまで受けていた施術の内容も参考にお伺いすることがあります。
Q. スポーツをしている場合、股関節痛の原因は違いますか?
A. スポーツによる使い過ぎや姿勢の癖が関わっていることもあります。年代や生活背景に関わらず、まずは検査でしっかりと状態を確認することをおすすめします。
Q. 家族に股関節痛の人がいますが、遺伝しますか?
A. 臼蓋形成不全のような構造的な特徴が家族内で似る傾向はありますが、すべてが遺伝で決まるわけではありません。気になる場合はご相談ください。
股関節痛は、構造的な要因があると「もう治らない」と諦めてしまう方も少なくありません。しかし、構造と機能を分けて考えることで、できることが見えてくる場合があります。長く同じ痛みと付き合ってきた方も、一人で諦めずに、まずは今の身体の状態を確認してみてください。
▼この症状の専門ページ:股関節痛について詳しくはこちら|深谷たいよう接骨院
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著者:田島 陽平(たじま ようへい)
治療家・株式会社キュアクオリティ代表。柔道整復師として20年以上の臨床経験を持つ。整形外科・接骨院勤務を経て独立し、埼玉県深谷市・熊谷市で2院を経営。カイロプラクティック歴15年以上・オステオパシーを組み合わせた独自の施術スタイルで、坐骨神経痛・腰痛・肩こりなど慢性症状でお悩みの方のサポートを行っている。現在は国際基準のフランス式オステオパシーを学んでいる。
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参考文献
・日本整形外科学会「変形性股関節症」/脚の付け根の痛みと機能障害が主な症状として解説されています
日本整形外科学会の解説ページを読む
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療行為や診断を行うものではありません。
症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関へのご相談をお勧めします。


